法律

長期優良住宅
「長期優良住宅法」とは?

住宅の性能や質の向上により、長期的に住み続けられる住宅づくり普及に重点を置いた「長期優良住宅の普及促進に関する法律」(長期優良住宅法)が、 2008年12月5日に公布、2009年6月4日に施行されました。

2008年6月に公布・施行された「住生活基本法」で、住宅政策がストック重視に転換されたのを受け、住宅は「いいものを作って、きちんと手入れして、 長く大切に使う」とする考えに基づいた質の高い住宅を普及させる法律。住宅を長期にわたり使用することで、住宅の解体等で発生する廃棄物排出の抑制をし、 環境への負荷軽減、建て替えによる費用削減等を含めて地球環境にもやさしく豊かな暮らしを目指すものです。
また、質の高い長期優良住宅の普及を促進することにより、 施主にとっても住宅の資産価値向上等のメリットも考えられます。

「長期優良住宅法」では、建物の構造や設備などが一定の基準を満たし、長期にわたって維持保全ができる住宅を長期優良住宅として認定し、 税制上の優遇などを受けられることとしています。法律が施行される6月4日から認定制度もスタートしました。

●「長期優良住宅」で受けられる優遇税制

平成21年度の住宅関連税制改正のポイント⇒

■長期優良住宅の認定基準(概要)

劣化対策

数世代にわたり住宅の構造躯体が使用できること。

鉄筋コンクリート造:劣化対策等級3に加えてコンクリートの水・セメント比の基準を強化
木造:床下・小屋裏の点検口設置、点検のための床下空間の高さ確保

耐震性

耐震等級(倒壊等防止)2、または、住宅品確法に定める免震建築物であること。

維持管理・更新の容易性

構造躯体に比べて耐用年数が短い内装・設備の維持管理が容易に行えること。

維持管理対策等級(共用配管・専用配管)3、更新対策等級(共用排水管)3

可変性

ライフスタイルの変化等に対して間取りの変更が可能なこと。

共同住宅:躯体天井高(床・スラブ間の高さ)が2m65cm以上

バリアフリー性

バリアフリーリフォームに備えて共用廊下等にスペースが確保されていること。

高齢者等対策等級(共用部分)3(※1)

省エネルギー性

断熱性能等の省エネルギー性能が確保されていること。

省エネルギー対策等級4

居住環境

良好な景観の形成や居住環境の維持・向上に配慮されたもの。

住戸面積

良好な居住水準を確保するために必要な広さ(規模)のあるもの。

戸建て住宅:75m2以上(2人世帯の一般型誘導居住面積水準)(※2)
共同住宅:55m2以上(2人世帯の都市居住型誘導居住面積水準)(※2)

維持保全計画

建築時から、定期的な点検・補修等に関する計画が策定されていること。

維持保全計画:(1)構造耐力上主要な部分、(2)雨水の侵入を防止する部分、(3)給水・排水設備の点検時期・内容を定めること、(4)最低10年ごとの点検を実施等

   ※等級は、住宅性能表示基準に準拠
   (※1)高齢者等対策等級(共用部分)3:手すり・段差・高低差を除く
   (※2)居住地域の自治体により、40m2まで基準引き下げ可能

住まいの情報発信局『住宅性能表示制度』

この内容は2009年5月現在のものです。

敷地の選択
建築会社が指定される「建築条件付き」土地

土地広告で確認したいのが「建築条件付き」かどうか。この「建築条件付き」というのは売買契約を結んだ後、3ヶ月以内に土地の売り主またはその代理人との間で建築請負契約を結ばなくてはなりません。あらかじめ建築会社が指定されているので住宅の工法は限定されますが、プランニングは基本的に自由。なお建築請負契約が不成立になった場合は、売買契約は解除され、土地の手付金は全額返済されます。

既存住宅地内にある土地

既存の住宅地内にある土地は、個人が売り主になっている場合が多く、そのほとんどが仲介会社を通じて販売されています。だからこの土地売買に関しての折衝は仲介会社となり、契約までこぎつければ価格の3%+6万円(別途消費税)を上限とする仲介手数料が価格とは別に必要となります。

既存住宅地内の古家ありの土地

このケースも個人が売り主になっている場合がほとんどです。売リ主が個人の場合は、その土地に抵当権が設定されているかいないかを必ず確認する必要があります。抵当権が設定されている場合は、いつ抹消してくれるかなども確認。これを怠ると、後々トラブルにつながるので注意しましょう。古家付き土地が仲介会社を通じて売買される場合には、当然価格とは別に仲介手数料が発生します。

新たに開発された土地

新たに開発した住宅地では売り主が自社で分譲する場合と販売会社を通して分譲する場合があります。大規模ニュータウンのケースは、長期にわたる開発のため、売リ主は資金力のある大手が中心。2、3区画から10数区画の規模で開発する中小は、コンパクトにまとめられた区画が多く、価格も比較的抑えられている傾向にあるようです。最近では大手も小規模開発を行うケースが増えています。いずれの場合も「建築条件付き」が多くあるので確認を。

農地を宅地に転用

農地の宅地化は農地法によって制限されています。たとえば家を建てる目的で農地を購入しようとする場合、農地法五条により都道府県知事の転用許可を受けなければ通常の売買契約を結ぶことはできません。とくに市街化調整区域内の農地の転用については厳しく制限されています。転用申請や売買契約について詳しくは各都道府県管轄窓口でご確認を。

この内容は2004年2月現在のものです。

敷地の規制
自治体から「建築確認」が得られる土地であること

家を建てる場合、自治体からその土地にそういう家を建ててもいいという「建築確認」を得なければなりません。建築確認が得られる土地、つまり家が建てられる土地かどうかは、「用途地域」や「道路」が重要なポイントです。

用途地域が「工業専用地域」の場合は家が建てられない

その土地(地域)の利用目的(用途)を法的に定めているのが「用途地域」です。用途地域の種類は下の表のとおりで、それぞれの地域で建てられる建築物の種類や高さなどが決まっています。住宅については「工業専用地域」以外ならどの地域でも建てることができます。

■用途地域の種類

 

住 居 系

第一種低層住居専用地域

第二種低層住居専用地域

第一種中高層住居専用地域

第二種中高層住居専用地域

第一種住居地域

第二種住居地域

準住居地域

商 業 系

近隣商業地域

商業地域

工 業 系

準工業地域

工業地域

工業専用地域

市街化区域・市街化調整区域とは

市街化調整区域内の土地には、原則として家を新築することができないので注意が必要です。

都市計画区域
人口1万人以上の市町村、またはその他の要件を備えた市町村の将来一体の都市として総合的に整備、開発、保全する必要がある区域を、「都市計画区域」として都道府県が指定しています。「都市計画区域」を定めている市町村のうち、とくに建設大臣が指定する人口10万人以上の都市およびその周辺の市町村は、「都市計画区域」をさらに「市街化区域」と「市街化調整区域」にわけることになっています。なお、土地区画整理事業は、この都市計画区域内の土地についてのみ施行することができることになっています。

市街化区域
すでに市街地を形成している区域、およびおおむね10年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域のこと。市街化区域内の農地は、農地法上、知事の許可を経ずに農業委員会への届出をもって宅地などへの転用や譲渡することが認められています。

市街化調整区域
市街化調整区域は、市街化を抑制すべき区域で、土地区画整理事業をはじめ市街地開発事業などの開発行為は、特別の条件に適合する場合を除き原則として禁止されています。つまり、市街化調整区域内の土地には原則として家を新築することはできません。

用途地域とは

「用途地域」とは、土地の使いみち(用途)をあらかじめ決めておいて、住宅はこのエリア、工場はこちらのエリア、という具合に街づくりを計画どおりに進めていくためのものです。 都市部のほぼ全域と、その近郊のほとんどの地域で用途地域が定められています(種類と各地域の目的は別表参照)。 12種類の地域のうち「工業専用地域」では住宅を建築できませんが、それ以外の地域では建築が可能です。 なお、地域ごとに「容積率」「建ぺい率」「絶対高さ制限」「斜線制限」「日影制限」「外壁の後退」等の規定が異なっていますので、注意が必要です。

種類

趣旨

住居系

第一種低層住居専用地域

低層住宅に係る良好な住居の環境を保護するための地域

第二種低層住居専用地域

主に低層住宅に係る良好な住居の環境を保護するための地域

第一種中高層住居専用地域

中高層住宅に係る良好な住居の環境を保護するための地域

第二種中高層住居専用地域

主に中高層住宅に係る良好な住居の環境を保護するための地域

第一種住居地域

住居の環境を保護するための地域

第二種住居地域

主に住居の環境を保護するための地域

準住居地域

道路の沿道という特性にふさわしい業務の利便の増進を図りつつ、これと調和した住居の環境を保護するための地域

商業系

近隣商業地域

近隣の住民に対する日用品の供給を行うことを主な内容とする商業その他の業務の利便を増進するための地域

商業地域

主に商業その他の業務の利便を増進するための地域

工業系

準工業地域

主に環境の悪化をもたらすおそれのない工業の利便を増進するための地域

工業地域

主に工業の利便を増進するための地域

工業専用地域

工業の利便を増進するための地域

接道義務とは

建築基準法では、都市計画区域内で建物を建てる際には、その敷地は原則として幅員4m以上(特定行政庁が指定する区域内においては6m以上)の「道路」(自動車専用道路を除く)に2m以上の幅で接していなければならないと定めており、これを「接道義務」といいます。ここでいう道路とは、建築基準法上の道路であり、以下のいずれかに該当するものでなければなりません。

■建築基準法上の道路

道路法に基づく道路(幅員4m以上)

都市計画法、土地区画整理事業等による道路(幅員4m以上)

建築基準法が適用された時(昭和25年11月23日)に既に存在していた道路(幅員4m以上)

都市計画事業などにより、2年以内に築造する予定のもので、特定行政庁が指定した道(幅員4m以上)

土地を建築敷地として利用するために新たにつくるもので、特定行政庁に申請して道路として位置の指定を受けた道。一般的に「位置指定道路」と呼ばれています。(幅員4m以上)

建築基準法が適用された時(昭和25年11月23日)に既に建物が立ち並んでおり、一般の人が自由に通行していたもので、特定行政庁が指定した道。 一般的に「42条2項道路」または「みなし道路」と呼ばれています。(幅員4m以上)

なお、共同住宅などの特殊な建築物や大規模な建築物、または専用通路(路地状敷地・敷地延長)が長い場合には、接する形態や幅員に別の規定が設けられている場合がありますので注意が必要です。
セットバック(後退)
接道義務を定めた法律が施行される前から存在する道路には幅が4m未満のものも多く、こうした道路を都道府県や市町村などが指定して道路とみなす場合があります。 これを一般的に「みなし道路」あるいは「42条2項道路」と呼びます。敷地が接している道路の幅が幅4m未満の場合、道路幅4m以上を確保するため、 道路中心線から敷地側に水平距離2m(道路の反対側が崖または川などの場合は崖地等の道の側の境界線から道の側に4mの線)を道路の境界線とみなします。 これが「セットバック(後退)」とよばれるもので、セットバック部分には家や門や塀を建てることはできません。また、セットバック部分の面積を敷地面積に含めることはできないので、 敷地面積によって規定される建蔽率や容積率制限により、建てられる家の面積がその分小さくなります。

◆路地状部分のある敷地(東京都建築安全条例の場合)

敷地にはいろんな法的規制が

敷地が市街化区域内では道路に2m以上の幅で接していなければ家が建築できないし、敷地が接する道路幅が4m未満なら道路中心線から2m以上敷地を後退(セットバック)させなければならないなど、建築法規上さまざまな制限があります。またどれだけの広さの家が建てられるかについても敷地によって異なってきます。その主要な基準となるのが建ぺい率(敷地面積に対する建築面積の割合)と容積率(敷地面積に対する延べ面積の割合)であり、それぞれに敷地面積を掛けたものが、その敷地に建てられる建築面積、延べ面積の上限になります。

家の高さを制限する法規制も

都市計画区域内で日照の悪化を防ぐ目的で決められたのが斜線制限。これにより前面道路や隣地境界線から引いた一定のこう配斜線によって家の高さが規制されています。また北側に接する敷地の環境を保護するための北側斜線制限も設けられています。どんな規制が適用されているかについては、土地売り主の不動産会社で確認できますが、管轄の役所で調べることもできます。

道路付けが重要ポイント

まず敷地の東西南北どの方向に道路が接しているかをチェック。この道路付けにより間取りはかなり影響を受け、住み心地も違ってきます。一般的には南側道路、東西に広がる長方形の敷地が理想とされていますが、価格的にやや高くなる傾向にあるようです。道路付けにより玄関位置、駐車場がおのずと決まってきますが、間取りを工夫することによって採光を高め、プライバシーを守り、理想の住まいを実現することも可能です。

敷地形状にも注目したい

建物をバランスよく配置でき、庭もそれなりに確保できる間口と奥行きの割合が2対3の敷地が理想と言われています。たとえば約200平方メートルの敷地なら、間口約12mに対して奥行き約18m。これなら建物の形もスッキリするし、前面に花や樹木を配した庭を確保すれば建物全体が引き立ちます。また密集した市街地では隣家や道路との境界が不明確な場合もあり、敷地図や実測図を手に入れ境界杭が打たれているかも、後々トラブルを招かないためにチェックしておきましょう。

隣家など周辺環境も要チェック

たとえば敷地がどのように道路に接しているか、隣に建物がどのように建っているかということも、きっちりとチェックしておきたいことがらです。道路幅は駐車場の位置までを想定して、車の出し入れがスムーズかどうか。また隣の家の窓やトイレ・キッチンの換気扇、各室の室外機の位置を確認しておけば、実際家を建てる際に役立つはずです。さらに用途地域により、建設できる建物の種類が決められています。たとえば第1種低層住居専用地域は低層住宅を中心とした良好な住環境の保護を目的とした地域として位置付けられているというふうに、用途地域を知ることによって、ある程度の周辺環境が予測できるわけです。

隣との境界

家を建て替えたり、あるいは新しく塀や垣根をつくろうとしたときに、土地の境界がはっきりせず、隣近所の方と争いになることがあります。土地の境界を特定するための手段としては、塀や垣根の設置があります。しかし、相続で代替りしたり、大規模な宅地造成が行われたため、その目印がなくなり、境界が失われてしまう場合があります。土地の境界を明確にするためには、境界標の設置(埋設)がもっともよい方法です。境界標がなかったために、土地を巡るトラブルが起こりやすくなっています。なお、不動産登記法施行細則では、土地の分筆の登記の申請などの際に提出する地積測量図の図面上に境界の位置関係を表示すべきことになっています。この位置関係を明確に表示するのが境界標です。

境界標には永続性のあるものを使用

測量の際には通常木杭が打ち込まれますが、これはあくまで仮のもので、何年か経つと腐ってしまったり、動いてしまったりします。もっとも有効な手段は、境界石やコンクリート標といった永続性のある境界標を埋設することです。都市部のように住宅が密集し、境界標を地中に打ち込むのが困難な場合は、ブロック塀やコンクリートなどに直接打ち込める金属鋲(びょう)を使って表示することもできます。境界標を設置しようとする場合は、最終的には登記と結びついてきますので、登記に関する調査・測量の専門家である土地家屋調査士に相談・依頼するとよいでしょう。なお、境界標の破損や移動があったり、構造物をつくるなどの理由で、境界標の修正や入れ替えが必要な場合には、その境界に関係する土地の所有者の立ち会いのもと、同意を得た正しい位置に埋設することで、後々のトラブルを防ぐことになります。

私道とは

不動産取引や住宅建築の場合における私道とは、私人が所有し、維持管理する道路を指し「接道義務」を満たすために所有地の一部に設けられるケースがあります。接道義務においては、敷地が幅4m以上の道路に2m以上接してなければなりません。元々は一つの大きな敷地だったのを分割(分筆)した場合など、道路から離れてしまっている敷地については、敷地の一部を道路にあて、それを建築基準法上の道路として特定行政庁(都道府県知事や市町村長)に認可してもらいます。この道路(私道)のことを「位置指定道路」と呼び、所有地の一部ではあっても、そこに庭をつくったり、敷地に再編入するといった変更や廃止は勝手に行うことはできません。また、私道部分の面積は敷地とならないので建ぺい率や容積率の計算から除外されるなど、土地の利用に際して大きな制約を受けることになります。

* 私道負担
 不動産取引において、売買等の対象となる土地(敷地)の一部に私道の敷地が含まれている場合に、この私道敷地部分を「私道負担」といいます。私道には前述の位置指定道路となる私道以外にも、通行地役権の目的となっているようなものが含まれます。また、私道について所有権や共有持ち分を持たずに、利用するための負担金を支払うことになっている場合や、将来生じることになっている私道負担も私道に関する負担に含まれます。

この内容は2004年2月現在のものです。

借地
新しい借地借家法で登場した定期借地権制度

地主が他人に土地を貸すとなかなか返してもらえない、借り主にすれば保証金等が高いという従来の借地制度。しかしその一方、一定期間でいいから安く土地を借りたいという需要も多くあります。そんな借地の利用の幅を広げるために新しい借地借家法が平成4年8月1日より施行、そこで導入されたのが一定の要件の下で、更新のない借地権を認めた定期借地権制度です。

契約更新、存続期間の延長がない一般定期借地権

定期借地権にもいくつかのパターンがあります。中でも一般的なのが、借地存続期間を50年以上(一般には50年)とし、契約更新、建物築造による存続期間の延長が認められず、期間が過ぎれば建物を取り壊して更地に戻して土地を返却するという一般定期借地権です。そのほか事業目的に借地期間を10年以上50年未満に設定した事業用借地権、さらに借地権の設定後30年以上経過した時に、借地上建物が地主に譲渡される建物譲渡特約付き借地権があります。

当初30年、更新も可能な普通借地権

一定の要件下で、更新のない定期借地権に対して、当初30年、1回目の更新は20年で、その後の更新は10年、これより長い期間定めるのも自由な普通借地権があります。いずれの場合も、契約書では地代とその支払方法、借地権の転売、あるいは転貸を地主が認めるかどうかも、決めておく必要があります。地主が転売・転貸を認めた場合は、借り主にとってはメリットとなるので、契約書にその旨を記載するか承諾書をとっておくことが必要です。

借地権には地上権と貸借権が

土地賃貸借契約に基づいて土地を使用する権利を借地権といいますが、この借地権には地上権と賃借権があります。この2つは法律的にまったく効力が異なります。というのは、地上権は登記が可能で、登記すれば地主の意思に関係なく自由に売ったりでき、抵当に入れることも可能ですが、賃借権は転売・転貸するには原則として地主の承諾が必要。承諾なしに行った場合は契約解除、明け渡しを請求されることになります。

普通借地権とは

新借地借家法での借地権には、大きく分けて借地人が望む限り自動的に法的更新される「普通借地権」と更新なし(期間延長なし)の「定期借地権」があります。

◆普通借地権のポイント

借地権の存続期間

30年以上

1回目の更新は20年以上

2回目の更新は10年以上

契約更新の有無

法的更新がある

建物の用途

限定なし

契約終了時の建物は

地主に建物の買い取り請求ができる

契約方法

制限なし

◆普通借地権には「賃借権」「地上権」があり、権利等が異なります

権利形態

賃借権は「債権」、地上権は「物権」

登記

賃借権、地上権ともに可能

購入

貸借権、地上権とも権利金を支払う(返還されない)

売却

可能。但し賃借権は地主の承諾が必要

転貸

可能。但し賃借権は地主の承諾が必要

固定資産税等

課税されない

担保

地上権のみ担保能力あり

地代

必要

定期借地権とは

新借地借家法のなかで、一定期間でいいから安い資金で土地を借りたいという需要にこたえて設けられたのが定期借地権制度です。定期借地権制度の中には「一般定期借地権」、「建物譲渡特約付き借地権」、「事業用定期借地権」の3つがあります。

◆定期借地権のポイント

一般定期借地権

建物譲渡特約付き借地権

事業用定期借地権

借地権の存続期間

50年以上

30年以上

10年以上50年未満

契約更新の有無

更新なし(建て替えによる期間延長なし)

一般定期借地権との組み合わせでは更新なし(建て替えによる期間延長なし)

更新なし(建て替えによる期間延長なし)

建物の用途

限定なし

限定なし

事業用に限定

契約終了時の建物

建物の買い取り請求はできない(更地にして返還)

建物の譲渡特約を実行のうえ、建物付きで返還

建物の買い取り請求はできない(更地にして返還)

契約方式

更新なしの特約は公正証書等、書面で行う

普通借地権または一般定期借地権に建物譲渡特約を付ける

賃貸借契約は公正証書で行う


賃借権

地上権

権利形態

債権

物権

登記

可能

可能

購入

保証金(契約終了時に返還)

地上権価格

売却

可能。但し地主の承諾必要

可能

転貸

可能。但し地主の承諾必要

可能

固定資産税等

課税されない

課税されない

担保

担保能力なし

担保能力あり

地代

必要

必要(権利金として前払い分を含め一括払いの場合は不要)

法規制を守ればどんな家でも建築OK

当然ながらどんな家でも建てられます。とはいっても建築基準法に違反する建物は建てられないし、たとえばその地区が建築協定(公的に認められたその区域独自の建築ルール。環境保全などを目的として結ばれる)を結んでいれば、建物の形や色が制限を受ける場合があります。旧借地法では建てる建物の構造によって契約期間が異なっていましたが、新法では建物に関係なく一律となりました(ただし旧借地法による借地では、建て替えても旧借地法の適用を受けます)。リフォームの場合、その規模や内容によっては地主の承諾が必要なケースがあります。いずれにせよ地主との関係もあるので、建物を何に使用するか、どんな建物を建てるか、リフォームの場合はどうするのかなど事前に決めておいたほうがいいでしょう。

地代、敷金、権利金+家の建設費用がかかる

借地に家を建てるには、毎月支払う借地使用料、いわゆる地代と建物の建築資金だけではなく、保証金や権利金も発生します(地主に地代を払わず権利設定時に一括で払う場合もあります)。地代は地主が決め、それを借り主が承諾すればOKですが、不動産鑑定士に依頼して決める場合もあります。

この内容は2011年5月現在のものです。

名義
登記簿上に記載された所有者名のこと

不動産の名義とは、登記簿に権利者として記載された名前のことをいいます。特に登記簿の甲区(所有権に関する登記事項のある部分)に名前がある人が、 その不動産の真の所有者と推定されます。推定されるというのは、「名義人=真の所有者」ではないケースもあるためです。 例えば、「Aさん→Bさんさん」→Cと転売されたものの、登記簿上はBさんを飛ばして「Aさん→Cさん」とする、「中間省略登記」などがそれにあたります。 2005年の不動産登記法改正により、「中間省略登記」が認められるようになりましたが、売買、新築、相続、贈与などによって所有者が変わったら、 速やかに登記もそれに合わせて変えておくことをお勧めします。

共有名義の考え方

1つの不動産の所有権を複数の人が持つことを共有といい、登記簿(甲区)には共有する人の名前とそれぞれの持分割合を記載するのが一般的です。 マイホームを新築した場合、建築費を誰がいくら負担したかによって持分割合を決めます。 例えば、3,000万円の家を建てたとして、夫が自分の銀行口座から1,000万円、自分の名前で借りた住宅ローン1,000万円の計2,000万円を負担し、 妻が自分の銀行口座から1,000万円出した場合、持分割合は夫3分の2、妻3分の1となります。

住宅ローンを一緒に返済する場合

よく利用される住宅金融支援機構などのフラット35は、一世帯一口のみしか借りられません。夫または妻どちらかの名前で借り、返済は夫婦一緒にというケースもあるでしょう。 その場合、住宅ローンの分は所得額で案分することになります。 上の例で夫が借りた1,000万円を夫婦が一緒に返すとして、夫婦の年収が同じであれば、負担は1,500万円ずつ、持分割合も2分の1ずつとなります。

親からの贈与は自分の負担に

マイホームの共有名義でもうひとつ注意しておかなければならないのは、「住宅取得資金の贈与特例」を利用するケースです。特例の対象となるのは自分の両親などからの贈与に限られます。妻の両親から贈与を受けながら、夫1人の名義になっていると、通常の贈与とみなされます。妻の両親からの贈与は妻の資金負担にあたるので、その額にもとづく割合で共有名義にする必要があります。

この内容は2008年10月現在のものです。

不動産登記
不動産登記制度とは

土地や建物など不動産は一般に高額なうえ、所有者は誰なのかといった権利関係が簡単には分かりません。そこで、法務局に備え付けられた登記簿に土地や建物に関する権利の発生、変動、消滅を記載し、一般に公開するのが不動産登記制度です。これによって不動産取引の安全と円滑を図るとともに、不動産の権利者を保護しています。

登記簿の構成

不動産登記簿は、土地登記簿と建物登記簿の2種類に分かれており、それぞれ表題部、甲区、乙区の3つの部分から構成されます。表題部にはその不動産の表示に関する事項が記載されており、土地であれば所在地、地番、地目、地積(面積)、建物であれば所在地、家屋番号、種類、構造、床面積が載っています。 甲区には所有権に関する事項が記載されており、所有権の登記のほか、所有権の仮登記、買い戻しや差し押さえに関する登記があります。乙区は所有権以外の権利に関する部分です。地上権、地役権、賃借権のほか、ローンを借りる際の抵当権もこの乙区に記載されます。

登記手続きは通常、専門家に依頼

登記の手続きは、所轄の法務局に当事者が書類で申請します。ただ、申請書や添付書類の作成には専門知識が必要なため、司法書士や土地家屋調査士(表示登記)に依頼して行うのが一般的です。

この内容は2004年2月現在のものです。

売買契約
契約の前に土地の現状を知ることが重要

売買契約の前に、大切なことは土地の現状をしっかり知ることです。まず土地に対する法律上の制限等が記された重要事項説明書の内容を理解、その土地の権利書や登記簿謄本、公図や実測図をチェックし、土地の所有者が誰かということも確認しておきましょう。というのも、登記と現状が食い違った時、最終的には現状で判断されますので、きっちりとした調査が欠かせないわけです。

契約書はよく読んで内容をチェック

売買契約を結ぶ場合、a.売り主と買い主の記載、b.売買物件の内容、c.手付金および残金の支払方法、d.引き渡しと所有権の移転登記の期日、e.売買物件に対する公租公課の負担等、f.手付けと契約履行の着手に関する事項、g.登録免許税や登記手続に関する支払い義務、h.売り主や買い主責任による契約解除および損害金の条項、i.署名なつ印……というのが一般的な記載内容。市販の契約書用紙を用いる場合は、内容をよく読んで、不必要なものは削除し、足りない部分は書き加えるようにしましょう。

引き渡し・移転登記を同時に、その際に残金全額を

手付金は売買代金の1割~2割前後。そして残金を引き渡し時に支払うのが一般的ですが、引き渡しや移転登記を同時に行い、その際に残金全額を支払うようにしたほうがいいでしょう。引き渡しや移転登記前に内金を支払う場合は、所有権移転の仮登記や抵当権設定、確実な保証人を考えなければなりません。

売買契約書に欠かせない条項

売買契約書には登記に関する条項、代金支払い方法に関する条項、損害賠償額の約定など履行確保の特約条項は必ず入れておきましょう。また売り主側の履行に不安がある場合、売買予約契約を行うのもひとつの手。売買予約契約は仮登記ができますので、万が一売り主の二重売却が発覚しても、買い主が所有権を失うことはありません。

この内容は2004年2月現在のものです。

環境・建築協定
街並みや景観の美しさも快適さや資産価値の一部

家を建てる際、間取りや採光・通風といったそこに住む人に直接かかわる部分には長い時間をかけて検討が繰り返されます。そこに住む人=家を建てる人ですから、当然といえるでしょう。ただし、それだけでは十分ではありません。外観や外構といった外回りにも気を配ることが、よりよい環境づくりや資産価値を維持・向上させることにもなります。  これから建てようとする家は、その地域や環境を形成する一つの要素となるわけです。落ち着いたたたずまいの家が続く中に、突如モダンでカラフルで奇抜な家が登場すると、その地域で長年にわたって培われてきた景観や街の雰囲気が損なわれてしまいます。損なわれるだけならまだしも、その家が引き金となって次々と奇抜な家が登場、すなわち乱開発がはじまってしまったら、その地域は雰囲気のまったく異なる街へと変貌してしまいます。一度壊れてしまった景観や環境を元に戻すのは、並大抵のことではありません。  これから家を新築あるいは改築する場合には、すでにそこにある街並みや景観に調和することにも十分配慮することが大切です。そしてその気配りは、その地域に暮らす住民の一員になることの意思表示であり、近隣住民との円滑なコミュニケーションを図る手立てにもなります。

「建築協定」は景観への配慮を住民の総意でルール化したもの

さて、景観に配慮するといっても、配慮のとらえ方には個人差がありますし、何をどうしたらよいのかわからないという場合もあるでしょう。そんな背景もあって登場したのが「建築協定」です。建築協定は建築基準法に基づくもので、建築基準法で定められた建築物に関する基準に上乗せする形で、地域の特性などに応じて一定の制限を、そこに暮らす住民自らが設けることのできる制度です。たとえば、一定の区域を定め次のような協定内容を定めます。
(例)

建物の用途は住宅に限るなど、用途を制限する

階数や高さの基準を定める

道路や隣地からの後退距離を定める

敷地の大きさの基準を定める

建ぺい率や容積率を建築基準法より厳しく定める

かわらや外壁の色を、ある程度制限する

エアコンの室外機が直接見えないようにするなど、美観維持に向けた制限を設ける

こうした協定を住民たちが守っていくことによって、将来にわたって地域の住環境が保全され、魅力ある個性的な街づくりが行われます。なお、建築協定を結ぶには、協定を結ぼうとする区域内の土地の所有者などの全員の合意が必要であり、市長の認可を得て成立することになります。その地域にどのような建築協定があるかは、自治体の建築担当課で調べることができます。

日照権とは

「日照権」はなじみのある言葉なので法的に認められた権利だと思われがちですが、実は日照権を明文化したものはなく、つまり日照権を明確に規定(保護)した法律は存在しないのです。日照権が取りざたされるようになったのは、都市部におけるビルやマンションなど高層建築物の建設ラッシュにより、建設地の近隣住民の日照が妨げられるようになったからです。

日照権と建築基準法は直接関係しない

日照権問題の最大の要因は、日照権と建築基準法とが直接関係していない点にあります。家を建てる側にしてみれば、日影制限をクリアするなど建築基準法を遵守しているのだから、何の問題もなく家が建てられると思うはずです。しかも、建築基準法に即している以上、行政も建築確認書を交付せざるを得ません。それでも、近隣住民が「受忍限度」を超える日照妨害が生じると判断すれば、設計変更や工事の差し止めなどを要請し、双方に歩み寄りがない場合には訴訟となってしまうのです。訴訟となった場合、これまでの判例ですと、建築基準法などの関連法規をすべて遵守していた場合でも敗訴になったり、逆に若干の法規違反があっても勝訴となったケースもあったりと、まさにケースバイケースの状態です。

受忍限度
日照権をめぐる訴訟においては、日照被害の程度、建物が建っている地域の状況、被害を受けるに至った事情、加害者の加害行為の内容・程度・社会的評価、加害行為を行うに至った事情、加害者に加害の意志があったか、なかったか、などを裁判所が総合的に検討して決定します。

近隣への配慮と誠意をもって話し合うこと

日照権のトラブルを未然に防いだり、トラブルが生じた場合の最善の解決方法は、やはり近隣への配慮と、互いに妥協点を見出そうという謙虚な姿勢をもち、誠意をもって話し合うことです。仮に訴訟で勝ったとしても、その後の近隣との関係はどうなるでしょう。近隣から孤立したままで暮らし続けていかなければならないとしたら、せっかくのマイホームも快適な住環境から遠ざかってしまいます。ただし、無理難題や不当な要求に対しては、弁護士に相談するなど毅然とした態度で臨むことが大切です。

建築協定とは

住宅地としての環境または商店街としての利便を高度に維持増進するなど建築物の利用を増進し、かつ、土地の環境を改善するため、市町村の条例に建築協定の締結に関する旨が定められている場合に、土地所有権者及び借地権者等は、自主的にその全員の合意により、その区域について一定の区域を定め、その区域内における建築物の敷地、位置、構造、用途、形態、意匠又は建築設備に関して、一般の建築基準法の規定より厳しい基準を定めた「建築協定」を締結することができます。建築協定を締結しようとする土地所有者等は、その全員の合意により、協定の目的となっている土地の区域、建築物に関する基準、協定の有効期間、および協定違反があった場合の措置を定めた建築協定書を作成し、特定行政庁の許可を受けなければなりません。

建築協定で定める内容

 1.建築協定の及ぶ区域
 2.建築物の敷地、位置、構造、用途、形態、意匠または建築設備に関する基準
 3.建築協定の有効期間
 4.建築協定に違反した場合の措置

建築協定は、本質的には私法上の契約であって、建築基準法第3章の制限とは性格が異なります。したがって、建築協定の中に定められた建築物に関する基準は建築確認の際の審査の対象にはなりませんし、協定の違反に対しても是正命令を適用する余地はありません。違反に対しては、協定遵守の説得等に努めるほか、最終的には、裁判所の判断に基づき契約上の義務の履行を求めることになります。

建築協定における行政の役割

建築協定締結に向けての支援をはじめ、協定書の受け付け、公聴会の開催、認可および公告を行います。

地域住民の役割

建築協定はそこで暮らす住民が中心になって、自ら建築物や敷地の条件に関して、厳しいルールをつくるものです。そのため、事前の十分な話し合いや、協定締結後の協定維持運営のための場(協定運営委員会など)が必要です。また、建築協定の決定や変更には、土地所有者などの全員の合意が必要です。さらにそこで合意されたことは当事者間だけでなく、後に新しく住民になった人々に対しても効力が及びます。

この内容は2004年2月現在のものです。

近隣とのトラブル
トラブル防止は、相手への気配りと日ごろのコミュニケーション

建築基準法などの関連法規に従っているからといって、どんな家でも建てられるわけではありません。たとえば、民法235条は「土地の境界より1m未満の距離において、他人の宅地を観望できる窓または縁側を設けた者は、その窓・縁側に目隠しをする義務がある」と規定しています。プライバシーの保護という観点から、のぞき見などができないようにするためです。このように、近隣との生活上における権利関係については一般的に民法で規定されています。ただし、法律に頼る以前に、近隣のプライバシーや権利にも配慮した設計にしたり、日ごろからコミュニケーションを図って相手の考えや要望などを把握しておくことが、何よりのトラブル防止法といえます。

近隣とのトラブルが生じた場合は・・・

事実関係をきちんと整理する
境界や塀の問題など近隣とのトラブルについては、民法の相隣関係の規定により当事者間で調整を図ることになります。つまり、トラブルの当事者でないかぎり、行政が直接かかわることはできません。お互いに合意ができれば問題とはならないものですが、財産や日常生活に関係してくるだけにこじれるケースも多いといえます。トラブルが生じた場合は、まず冷静に問題の事実関係を整理し、専門家にアドバイスを受けたり、書籍などで知識を得て、どのような主張が可能なのか、また、相手方にはどのような権利があるのかを考える必要があります。

誠意をもって、よく話し合いましょう
お隣り同士今後も顔を合わせながら生活していくわけですから、けんか腰になったり、いきなり法的手段をとったりしては円満解決は望めません。「自分だけがよければ・・・」という考えは、結局は悪い結果を招くことになります。

話し合いで解決できないときは
当事者同士の話し合いでの解決が望めないときは、簡易裁判所で行っている民事調停制度を利用する方法があります。この制度は、裁判所の調停委員会が仲介にはいり、実情に合った妥協案を示し、解決を図ろうとするものです。訴訟と比べ手続きも簡単なうえ、費用も安く、時間もかかりません。また、調停が成立すれば、その取り決めは裁判で確定した判決と同様の効果が与えられます。民事調停制度は基本的には話し合いを前提としたものですから、後に大きなシコリを残さず、円満な解決が期待できます。調停が不成立となった場合は、裁判所に訴訟を提起することになりますが、手続きについては、法律の専門家に相談するのがよいでしょう。

この内容は2004年2月現在のものです。

防火のための建築制限
「防火地域」と「準防火地域」

都市の安全、特に火災から人々の生命や財産を守るため、都市計画法によって「防火地域」と「準防火地域」の指定があります。防火地域は商業地域や幹線道路沿線沿いなどを中心に、準防火地域は工業地域だけでなく住宅地域も含めて広範に定められています。とくに都市近郊の住宅地域では準防火地域指定がされているケースが多いといえます。

「耐火建築物」と「準耐火建築物」

建築基準法では地域別に建築物の構造に制限が設けられています。防火地域では3階以上または延べ床面積100平方メートル超の建物は耐火建築物に、それ以下の建物は準耐火建築物にすることが義務付けられています。準防火地域ではそれより規制が緩やかで、規模のおおきな建物は耐火建築物にする 義務がありますが、木造の2階建てや3階建ても基準を満たせば建てることができます。耐火建築物、準耐火建築物以外の建物は、延焼のおそれのある部分の外壁、軒裏を防火構造とし、開口部に防火戸や防火設備を設けなければなりません。

耐火建築物

壁、柱、梁、床、屋根、階段といった、火災発生時に建物が倒壊しないうちに安全に屋外に避難出来るための防火上・避難上主要な構造物(主要構造部)を、 耐火構造、または屋内から火災が発生した時や、周囲で火災が発生した時に、火災が終了するまでの間耐えうる性能についての技術的基準に適合しているものとしたもので、 どちらも外壁の開口部で延焼のおそれのある部分には防火戸や政令で定められた防火設備を設けた建物をさします。

準耐火建築物

耐火建築物以外の建物で主要構造部を準耐火構造としたもの、またはこれと同等の耐火性能を有するものとして主要構造部の防火措置その他の事項について技術的基準に適合しているもので、 いずれも外壁の開口部で延焼のおそれのある部分には防火戸や政令で定められた防火設備を設けた建物をさします。 各基準はかなり細かく取り決められているので関連書籍などをご参照ください。

準防火地域に3階建ての木造住宅を建てる場合は厳しい制限を受ける

耐火建築物としての基準を満たす建物は、鉄骨造や鉄筋コンクリート造が一般的です。木造も建築可能ですが、耐火性能基準を満たすために厳しい制限を受けるうえ、建築コストが割高になります。たとえば、準防火地域に3階建ての木造住宅を建てる場合、敷地の境界線から5m以内の窓の面積については厳しく制限。とくに境界線1m以内では便所、洗面所などの換気用小窓を除いて開け閉めのできる窓は許されません。どうしても開閉可能な窓をつけたい場合は、防火シャッター等の設置が必要です。

防火指定なしの地域に家を建てる場合

屋根や外壁に防火上の基準があります。また、建物の規模などによっては『耐火建築物』『準耐火建築物』にしなければいけない場合があります。

防火地域・準防火地域とは

「防火地域」「準防火地域」とは、市街地における火災の危険を防ぐために指定された地域のことです。防火地域は、主として商業地などで建築物の密集した火災危険率の高い市街地について指定されます。 防火地域内の建築物については、1.原則としてその規模に応じ、耐火建築物又は準耐火建築物とすることという制限が課せられています。 準防火地域は、防火地域に準ずる地域について指定されます。 準防火地域内の建築物については、一定規模以上の建築物はその規模に応じ耐火建築物又は準耐火建築物とすること 2.木造の建築物は、延焼のおそれのある部分外壁や軒裏を防火構造とし、開口部に防火戸や防火設備を設置することなどの制限が設けられています。

耐火建築物

次に掲げる基準に適合する建築物のことを「耐火建築物」といいます。

その主要構造部が(1)または(2)のいずれかに該当すること。
(1)耐火構造であること。
(2)次に掲げる性能(外壁以外の主要構造部にあっては<i>、外壁においては<i>および<ii>に掲げる性能に限る)に関して政令で定める技術的基準に適合するものであること。
<i> 当該建築物の構造、建築設備及び用途に応じて屋内において発生が予測される火災による火熱に当該火災が終了するまで耐えること。
<ii>当該建築物の周囲において発生する通常の火災による火熱に当該火災が終了するまで耐えること。

その外壁の開口部で延焼のおそれのある部分に、防火戸その他の政令で定める防火設備(その構造が遮炎性能<通常の火災時における火炎を有効に遮るために防火設備に必要とされる 性能をいう>に関して政令で定める技術的基準に適合するもので、建設大臣が定めた構造方法を用いるもの又は建設大臣の認定を受けたものに限る)を有すること。

耐火構造

壁、柱、床その他の建築物の部分の構造のうち、耐火性能(火災による建築物の倒壊や延焼を防止するために必要な、その建物の部分の性能をいう)に関して、政令で定める技術的基準に適合する鉄筋コンクリート造、れんが造、その他の構造で、建設大臣が定めた構造方法を用いるもの、または建設大臣の認定を受けたものを「耐火構造」といいます。 2000年(平成12年)の建築基準法改正で、耐火構造は「壁、柱、床その他の建築物の部分の構造のうち、耐火性能(中略)に関して政令で定める技術的基準に適合する鉄筋コンクリート造、レンガ造、その他の構造で、建設大臣が定めた構造方法を用いるものまたは建設大臣の認定を受けたものをいう。」と改正されました。 まずこの中で「耐火性能」は「通常の火災が終了するまでの間当該火災による建築物の倒壊及び遅延を防止するために当該建築物の部分に必要とされる性能」と定義され、「耐火構造」が「倒壊・延焼防止」を目的とした構造であることが明確にされ、規定方法もより明確になりました。 また同時に、「耐火建築物」の主要構造部に関し、従来の「耐火構造」に加えて、「性能に関して政令で定める技術的基準に適合するもの」も認められるようになりました。性能の基本は、「屋内において発生が予測される火災」「周囲において発生される火災」のそれぞれの火熱に火災が終了するまで耐えることであり、性能を満たしていることを検証する方法として、耐火性能検証法が規定されました。これにより、どのような構造の建築物であっても、耐火構造でつくった建築物と同等に火災に耐えるのであれば、耐火建築物として位置づけられるようになり、構造の選択肢が広がったといえます。

準耐火建築物

「準耐火建築物」は、耐火建築物ほどの耐火性能を有しなくても防火上一定の耐火性能があると認められる建築物のことをいい、大きく3種類に分かれています。いずれもその外壁の開口部で延焼のおそれのある部分に防火戸その他の政令で定める防火設備を設ける必要があります。

主要構造部を準耐火構造としたもの。

「1.」以外の建築物であって、「1.」のものと同等の準耐火性能を有するものとして主要構造部の防火の措置その他の事項について政令で定める技術的基準に適合するもの(「外壁耐火型」と「主要構造部不燃構造型」の2種類ある)。

準耐火構造

●準耐火構造

壁、柱、床その他の建築物の部分の構造のうち、準耐火性能(通常の火災による延焼を抑止するために当該建築物の部分に必要とされる性能)に関して政令で定める技術的基準に適合するもので、 建設大臣が定めた構造方法を用いるもの、または建設大臣の認定を受けたものを「準耐火構造」といいます。

■防火地域・準防火地域の建築規制

建築物に対する制限の概要

規模

構造

防火
地域

階数が3以上または延べ面積が100平方メートルを超える建築物

耐火建築物

上記以外の建築物

耐火建築物または準耐火建築物

準防火
地域

地階を除く階数が4以上または延べ面積が1,500平方メートルを超える建築物

耐火建築物

延べ面積が500平方メートルを超え1,500平方メートル以下の建築物

耐火建築物または準耐火建築物

地階を除く階数が3である建築物

耐火建築物、準耐火建築物または外壁の開口部の構造および面積、主要構造部に防火措置等を施した木造建築物

上記以外の木造の建築物

外壁および軒裏で延焼のおそれのある部分を防火構造

この内容は2004年2月現在のものです。

建ぺい率・容積率・高さ制限・斜線規定
建ぺい率

建ぺい率とは、敷地に対する建築面積(建物の外壁またはこれに代わる柱の中心線で囲まれた部分の水平投影面積:下図参照)の割合で、「用途地域」ごとにその限度の数値が定められており、この数値内におさまる広さにしなければなりません。

つまり、敷地面積と建ぺい率によって建築面積の上限が決まるわけです。たとえば、敷地面積100平方メートル、建ぺい率50%の場合の建築面積の上限は、下記のように50平方メートルとなります。

注: 敷地が角地に当たる場合や商業地域で防火地域に建つ耐火建築物等、敷地に建てられる建ぺい率が緩和される場合もあります。

●建築面積の基準寸法

容積率

容積率とは、敷地に対する延べ床面積(各階の床面積の合計)の割合で、都市計画によって決められた数値と、前面道路の幅員によって定められた数値との、いずれか小さいほうの数値が容積率の限度として適用され、この数値内におさまる広さにしなければなりません。

たとえば、敷地100平方メートル、建ぺい率50%、容積率80%の土地の場合、延べ床面積の上限は80平方メートルとなり、1階を建築面積の制限いっぱいの50平方メートルとすると、2階床面積の上限は30平方メートルとなります。

注: 駐車場は延べ床面積の1/5まで、住宅の地階部分で天井が平均地盤面より1m以下にある部分は住宅部分の面積の1/3までは容積率の算定部分からは除かれます。

高さ制限

高さ制限とは、その土地に建てられる建物の高さの上限を制限するもので、用途地域や高度地区の種別、都市計画などによってそれぞれの上限値が決められています。たとえば、第一種低層住居専用地域や第二種低層住居専用地域内の場合、高さの上限は都市計画で定められた10mまたは12mとなっています(場所によって異なる)。

道路斜線制限

道路斜線制限とは、敷地が接している前面道路の反対側の境界線から一定のこう配で示された斜線の内側が家を建てられる高さの上限で、用途地域によってこう配の値が決まっています。
 住居系地域  1.25倍 × 水平距離
 その他の地域 1.5倍  × 水平距離

その他の制限

「隣地斜線」「北側斜線」「日影規制」などがあります。 所有地にはどのような制限があるのか、制限の数値・内容については、市役所などの建築担当部署で調べることができます。

建築物の高さに関する制限

都市計画法で指定する都市計画区域内では、市街地における住環境保護、日照確保や都市美観の整備のために、各種の高さ制限が定められています。ただし、都市計画区域外であっても、地方公共団体の条例で高さ制限が定められることがありますので、都市計画担当課で確認が必要です。

住居専用地域における絶対高さ

第一種および第二種低層住居専用地域内では、建築物の高さは10mまたは12mのうち、都市計画で定めた高さが上限となり、敷地面積や容積率に関係なく10mまたは12mより高くすることはできません。この上限のことを「絶対高さ」と呼びます。10m~12mというと、木造住宅なら3階、コンクリート造なら4階相当の建物になりますので、一般の住宅ではほとんどがクリアできる制限といえます。なお、特定行政庁が建築審査会の同意を得て、許可した場合は各種緩和を受けられることもあります。

道路斜線制限

「道路斜線制限」とは、敷地が接する道路の反対側の境界線から、住居系の用途地域では1mにつき1.25m、商業系および工業系の用途地域では1mにつき1.5m上がる斜線の内(下)側に建物をおさめなければならないという制限です。建築によっては外壁がある階から斜めに折れたようになっているのは、この制限によるものです。なお、建築物を前面道路からセットバック(後退)させ、敷地の道路側に空地を設けた場合は、その後退した距離だけ、前面道路の反対側の境界線が向かい側に移動したものとして、道路斜線を適用することができます。

■道路斜線制限(建物を前面道路の境界より後退させないで建築した場合)

北側斜線制限

「北側斜線制限」とは、北側隣地の日照の悪化を防ぐために設けられたもので、隣地境界線上の第一種・第二種低層住居専用地域内は5m、第一種・第二種中高層住居専用地域内は10mの高さから内側に1:1.25の角度で伸ばした斜線の内(下)側に建物をおさめなければならないという制限です。

■北側斜線制限(第1種・第2種低層住居専用地域の場合)

日影規制

「日影規制」とは、商業、工業および工業専用地域を除く地域・区域内において、中高層建築物(第1種・第2種低層住居専用地域においては軒高7mを超えるもの、または地上階数3以上のもの、その他の地域においては、高さ10mを超えるもの)が一定時間以上の日影を一定距離の範囲に生じさせないように、建築物の形態を制限するものです。対象となる区域と日影時間は地方公共団体の条例で定められています。一般的に同じ形態であれば東西軸に配置するより、南北軸に配置する方が、日影規制上は有利となります。

天空率という考え方の導入

家を建てる場合には、以上のように斜線制限、容積率など様々な制限を考えなければならなかったわけですが、2003年(平成15年)1月に施行された建築基準法の改正によって、新たに「天空率」という高さ制限の考え方が導入されました。 「天空率」とは聞き慣れない用語ですが、天空を平面に水平投射した円形の図(天空図)により、全天に対する建物の割合と、建物にふさがれない空の面積の割合が一目瞭然となりますが、全天に対する空の面積の割合のことを「天空率」といいます。 それぞれ基準に定められた位置において、計画建物の天空率が、斜線制限に適合する建築物の天空率以上であれば、斜線制限に適合する建築物と同程度以上の採光、通風等が当該位置において確保されるものとして、斜線制限の適用を除外するというものです。 この「天空率」によって、これまで斜線制限で利用できなかった容積率を有効に使えるようになったり、2面道路に面していたりして建物の形が複雑にならざるを得ない敷地で、構造の単純な合理的な建築物を建てることができる場合があります。さらに、建築物の構造の単純化や合理化によって、建築費などのコストが削減できることもあるようです。

この内容は2004年2月現在のものです。

建築基準法改正による「シックハウス対策」

建築基準法の改正で、2003年7月1日から「シックハウス対策」が義務づけられました

改正建築基準法の規程により、「シックハウス対策」が強化されています
それによって、2003年7月1日以降に着工する建物は、
内装の仕上げなどに制約が課せられるなど、シックハウス対策が義務づけられます。

家の購入や新築、リフォームなどをきっかけに、部屋にいると頭痛がする、めまいがする、セキが出る、目がチカチカするなどの「シックハウス症候群」に悩む人が、 とても増えています。 シックハウス症候群の背景は大きく3つに分けられます。
「住宅の気密化」
「化学物質を多用する製法、工法の普及」
「化学物質を含む生活用品の増加」
1997年に厚生省(現・厚生労働省)がホルムアルデヒドの室内濃度指針値を示したり、1998年には健康住宅研究会による設計・施工ガイドラインが示されるなど、 これまでにも行政と業界による積極的な取り組みが行われてきました。

室内の空気汚染をもたらす物質は多種多様にあり、その結果生じるシックハウス症候群も、そのすべてが原因ということもできますが、厚生労働省の参考定義にもあるとおり、 一般的には、「建材・内装材等に含まれる化学物質」が問題視されています。
なお、化学物質は建材や内装材だけでなく、生活者が室内に持ち込む家具や繊維製品、 日用品なども発生源となりえることを理解しておくことも大切です。

●これまでにも指針値は示されてきました。これからは法律で「シックハウス対策」が強化されます。

厚生労働省ではホルムアルデヒドをはじめとした化学物質の室内濃度指針値を示し、国土交通省では住宅性能表示制度で評価される性能項目に「空気環境」を含めるなど、 これまでも行政の取り組が進められてきました。
でもそれに対応するかどうかは業者や施主の任意の判断によるものでした。しかし今後は強制力のある法律の規制により「シックハウス対策」が強化されます。

次の2つの科学物質が規制の対象になります

●クロルピリホス

有機リン系の殺虫剤などに含まれる物質で、害虫駆除などに用いられることが多く、建築物では木材の防腐・防蟻対策用に塗布されています。
人体に入ると、けいれんやめまい、吐き気、頭痛などを引き起こします。
こんな所に用いられています
  防蟻剤・木材保存剤
クロルピリホスを添加した建材は使用禁止

●ホルムアルデヒド

強い刺激臭があり、シックハウス症候群を引き起こす化学物質の代表的存在とされています。接着剤などの原料として、合板などさまざまな建材に用いられています。
目や鼻に刺激を与え、セキ、くしゃみを生じ、ひどい場合は呼吸困難になることもあります。
こんな所に用いられています。
 合板、パーティクルボード、MDFなどに用いられる合成樹脂や接着剤の原料。
 一部ののりなどの防腐剤や繊維の傷み防止加工剤など。
ホルムアルデヒドを添加した建材は規制の対象となります

改正建築基準法における、ホルムアルデヒドを発散する建築材料の区分

ホルムアルデヒド発散建築材料が発散速度によって区分され、区分ごとに規制されます。
ホルムアルデヒド発散建築材料は告示によって17品目が示されています。

ホルムアルデヒドの発散速度

告示で定められている建築材料

JIS・JASのホルムアルデヒド放散量(水中濃度)

名 称

対応する規格・認定

旧JIS・JAS

平均値

最大値

0.005mg/m2h 以下

(規制対象外建材)

JIS・JASのF☆☆☆☆
および大臣認定品

-

0.3mg/L 以下

0.4mg/L 以下

0.005mg/m2h 超~0.02mg/m2h 以下

第三種ホルムアルデヒド発散建築材料

JIS・JASのF☆☆☆
および大臣認定品

E0、FC0

0.5mg/L 以下

0.7mg/L 以下

0.02mg/m2h 超~0.12mg/m2h 以下

第二種ホルムアルデヒド発散建築材料

JIS・JASのF☆☆
および大臣認定品

E1、FC1

1.5mg/L 以下

2.1mg/L 以下

0.12mg/m2h 超

第一種ホルムアルデヒド発散建築材料

無等級

E2、FC2

5.0mg/L 以下

7.0mg/L 以下

● 除外規定

建築物の部分に使用して5年経過したものについては制限されません。

● 大臣認定品

JIS・JASのF☆…を取得していない材料(海外からの輸入建材など)でも所定手続きにより大臣認定品として第二種・第三種および 規制対象外建材(F☆☆☆☆相当)とみなされます。

● JIS・JASについて

建築基準法改正に対応して、2003年3月に改正され、放散量規格が変更されるとともにF☆…で表示及び規格の統一が図られています。
「発散」と「放散」は字義的には同じと考えて差し支えありませんが、物理量単位としては建築基準法は発散速度(mg/m2h)であるのに対して、JIS・JASは放散量(水中濃度・mg/L)です。

ホルムアルデヒドは3つの側面から規制されます

(1)ホルムアルデヒドを発散する内装仕上げの面積を制限

居室の種類と換気回数に応じて、内装仕上げに使用するホルムアルデヒドを発散する建材の面積が制限されます。 ホルムアルデヒドを発散する建材はJIS・JAS及び大臣認定によって、発散量の少ない順にF☆☆☆☆、F☆☆☆、F☆☆、(F☆)と等級づけされ、その等級によって使用できる面積が異なります。
※JIS・JAS及び大臣認定の最高等級(F☆☆☆☆)は、 面積制限を受けません。

(2)常時換気できる設備の設置を義務づけ

ホルムアルデヒドを発散する建材をまったく使用しない場合でも、原則としてすべての建築物に一定以上の換気能力を持ち、常時換気ができる設備の設置が義務づけられます。 建材から発散されるホルムアルデヒドが微量でも持ち込み家具などから発散される可能性があるためです。
※サッシを用いない土壁真壁造のようなすき間の多い建築物などは対象外

(3)天井裏や床下、収納部材の内部の制限

下記の1.~3のいずれかの対策をする必要があります。

天井裏、作り付け収納部材の内部などの下地材(柱や梁のような「軸材」は除き、構造用パネルなどの建材が対象) もホルムアルデヒド発散の少ないF☆☆☆以上の建材を用いなければなりません。

居室へのホルムアルデヒドの流入を抑制するために、気密層または通気止めによる対策をしなければなりません。

機械換気設備を設け、天井裏なども換気できるものにしなければなりません。

Q&A

Q1.いつの物件から改正建築基準法が適用になりますか?

A.この法律は2003年7月1日に施行され、基本的には7月1日以降の着工分からの適用になります。詳しくは管轄の建築指導課にご確認ください。


Q2.改正建築基準法を満たせば、「シックハウス対策」は安心ですか?

A.改正建築基準法による規制対象物質はホルムアルデヒドとクロルピリホスの2物質です。
このほかにもシックハウス症候群や化学物質過敏症の主要原因とみられているトルエンやキシレンなど様々な物質(VOC)もあります。 すなわち建築基準法を満たせば、それで全ての室内空気汚染が防止できるということではありません。 また、建材や住宅設備だけでなく、家具類やカーテン、日用品なども化学物質発生の要因と見られているために配慮が必要です。 普段から窓を開けて空気を入れ替えるようにし、こまめな換気を心がけましょう。
※改正建築基準法で定められたホルムアルデヒド対策を守れば通常は、ホルムアルデヒドの室内濃度が厚生労働省の指針値(0.08ppm)を超えることはないというのが国土交通省の考えです。ただし、 特異な気象条件やシックハウス問題への配慮を欠いた建築物の使い方によって例外的に室内濃度が指針値を超えることは避けられないものとしています。


Q3.キッチン・室内ドアなどの製品(二次加工品)の等級表示はどうなりますか?

A.業界団体による製品ベースの自主表示制度が認められています。キッチンや室内ドアなどの住宅部品の場合、そこで使われているMDFなどの基材、接着剤、 塗料などの等級がすべてF☆☆☆☆であれば、製品として、日本住宅設備システム協会、日本建材産業協会、リビングアメニティ協会、キッチン・バス工業会 以上4団体による 「住宅部品表示ガイドライン」に基づいて、カタログなどにF☆☆☆☆表示がされます。

●「住宅設備・建具・収納のホルムアルデヒド発散区分に関する表示ガイドライン」

 (略称:住宅部品表示ガイドライン)に基づくユニット製品についての説明書等の記載方法
 (日本住宅設備システム協会、日本建材産業協会、リビングアメニティ協会、キッチン・バス工業会)
対象
住宅部品、設備機器、建具、収納など、複数の建築材料を工場で組み立てたユニット製品について、完成品を対象にホルムアルデヒド発散区分を説明書等に記載する場合、 その記載方法のガイドラインが上記の4団体より示されています。(製造者自らの責任において行い、登録制度は採りません)
内装の仕上げに該当する部分と、天井裏等の下地に該当する部分に分けて記載します。
記載方法
製品を構成するホルムアルデヒド発散建築材料の区分を個々に確認し、複数の等級が混ざっている場合には、最も放散量の多い等級で記載します。
記載の例
商品名:○○○収納
○○株式会社
F☆☆☆☆ (下地部分 F☆☆☆)
住宅部品表示ガイドラインによる
ロット番号、製造年月日など
内装仕上部分 下地部分
ホルムアルデヒド
発散建築材料 発散区分
PB F☆☆☆☆
MDF F☆☆☆☆
合板 F☆☆☆☆
接着剤 F☆☆☆☆
ホルムアルデヒド
発散建築材料 発散区分
PB F☆☆☆
接着剤 F☆☆☆☆
○○ - ○○○○ - ○○○○(電話番号など)
*製品・梱包・施工説明書などで全項目が工事現場で確認できる表示とする
この他にも日本塗料工業会や日本接着剤工業会など各業界団体等による表示制度があります。


Q4.リフォームの場合でも改正建築基準法は適用されるのですか?

A.基本的には新築の場合と同様の規制があります。ただし施工して5年以上経過しているホルムアルデヒド発散建築材料についてはF☆☆☆☆とみなせます。 一方、施工後5年以内のホルムアルデヒド発散建築材料については、ホルムアルデヒド発散等級が確認できない場合には無等級とみなされます。 換気設備の設置については、経過年数に係わりなく改正建築基準法を満たす必要があります。


Q5.換気設備によっては、ドアの通気措置が必要になりますが、それはどのような措置ですか?

A.居室と廊下などの間に換気経路を設ける場合に、室内ドアに1cm程度のアンダーカットや換気ガラリを設けて必要な通気を確保することです。
パナソニック株式会社 エコソリューションズ社の内装ドア(開き戸)は、ドアの下部に1cmの隙間が確保できる商品仕様です。(2003年5月1日生産分より) (この隙間が不要の場合は、現物で枠の下端を5mmカットすることで対応できます。)


Q6.廻り縁、幅木、窓枠、建具枠などは、内装仕上げの面積制限の規制対象外部分ですが一つひとつが小さくても合計するとけっこうな面積になると思います。 どのくらいの面積になりますか?

A.6畳間に内装ドア1枚、1間のクローゼット扉、1間の掃き出し窓をつけた場合の廻り縁、幅木、窓枠、建具枠の面積は床面積の20%程度になりドア1枚よりも多くなります。 パナソニック株式会社 エコソリューションズ社ではこれらの法律の対象外の部材もF☆☆☆☆として商品をご用意いたします。


Q7.持ち込みの家具は法律の対象にならないのでしょうか?

A.国土交通省によれば、「家具等については、建築基準法で規制することはできないが、適切な家具の選択等について周知を図り、 良好な空気質の確保に向け積極的な取組を促進していく」としています。 また(社)全国家具工業連合会では、「家具のシックハウス対策指針」を制定しシックハウス対策に取り組んでいます。


Q8.トルエン、キシレンなどは対象にならないのですか?

A.今回の対象はホルムアルデヒドとクロルピリホスだけです。今後規制の対象が増えてくる可能性はあります。

この内容は2004年2月現在のものです。

地下室
条件を満たせば居室としての利用も可能に

従来、建築基準法では地下室を居室として使用することが禁止されていました。2000年の建築基準法改正により、一定の条件を満たせば、地下室を居室として使うことが認められています。 その条件とは、「衛生上必要な措置」のことで、具体的には、①上部が外気に開放されている、もしくは、空掘り(ドライエリア)などの開口部がある、②居室内の湿度調整・換気の設備がある、③防水措置が講じられている。これらの条件を満たしていれば地下室を居住空間として使うことが可能です。

容積率への不算入措置というメリットも

地下室が居室としての使用可能になったとともに、容積率での優遇措置も講じられています。住宅部分の「延床面積の3分の1を限度として、容積として計算しない」と建築基準法で定められています。 例えば、敷地面積が100m2で容積率が100%の場合、単純計算で最大100m2までの広さ(延床面積)の家しか建てることができません。 ところが、地下室を利用した場合、延床面積の3分の1までの広さなら容積に計算されないことから、50m2の地下室を設けることで、最大150m2の床面積のある家を建てることが可能です。 また、天井が地上高1m以下の地下室(半地下)でも同様に、容積率への不算入措置を受けることができます。



地下室を設ける場合に注意したいポイント

床面から地盤面の高さが、天井高の3分の1以上埋まっている状態を地下室と言います。建築基準法では、「地階」と言います。 地下室を設けるときに気をつけたいポイントとしては、「湧水」です。湧水の場合、ピットでの対応が考えられますが、地下水位をはじめ、地下水脈、地盤調査などをきちんとした上での検討が欠かせません。採光面では、ドライエリアや吹き抜けなどの工夫しだいで、自然光を取り入れた快適な空間にすることも可能です。 地下室は、容積率の規制が厳しい土地や狭小地などでは、選択肢の一つとして検討するのもいいでしょう。

この内容は2006年5月現在のものです。

住生活基本法
「住生活基本法」とは?

住宅の安全性や品質・住環境の向上に重点を置いた、「住生活基本法」が、2006年6月8日に公布・施行されました。 これにより、40年間、日本の住宅政策を担ってきた住宅建設計画法が廃止されています。
住生活基本法は、「国民の豊かな住生活の実現を図るため、住生活の安定確保及び向上の推進に関する施策について、その基本理念、国等の責務、 住生活基本計画その他の基本となる事項について定める」という、新しい法律です。
住宅に関する初の基本法で、豊かな住生活を実現するための基本理念が示されています。
ライフスタイルの多様化や価値観などの違いにより、“豊かな住生活”の基準もそれぞれに異なります。
そのため、

多様なニーズに合った安全・安心で良質な住宅を選択できる市場の整備

適切な住宅を自力で確保するのが困難な人に対する住宅セーフティネットの構築

という2つの観点を図ることが求められています。それを踏まえて、4つの基本理念が掲げられています。

●基本理念

現在及び将来における国民の住生活の基盤となる良質な住宅の供給等(第3条)

住民が誇りと愛着をもつことのできる良好な居住環境の形成(第4条)

民間活力、既存ストックを活用する市場の整備と消費者利権の保護(第5条)

低額所得者、高齢者、子育て家庭等の居住安定の確保(第6条)

4つの基本理念を実現させるための基本的施策

基本法という性質上、一般市民への権利や義務よりも、方針などの方向性を示すものです。基本理念実現のための「住生活基本計画」の策定などを国や地方自治体に義務付けるもので、今後、住宅の安全性や品質・住環境の向上に向けてさまざまな施策が講じられます。 住生活基本法の4つの基本理念を実現させるために、具体的に今後、進められなければならない基本的施策が4つ挙げられています。

●基本的施策

住宅の品質又は性能の維持及び向上並びに住宅の管理の合理化又は適正化(第11条)

地域における居住環境の維持及び向上(第12条)

住宅の供給等に係る適正な取引の確保及び住宅の流通の円滑化のための環境の整備(第13条)

居住の安定の確保のために必要な住宅の供給の促進等(第14条)

従来の住まいだけを考えるのではなく、住まいの周辺環境や購入の際の流通市場、安定供給なども含めた住環境の質の向上が盛り込まれています。
特徴的なのは、福祉や環境、まちづくり、防災などの対策の必要性も明示されています。
また、住宅の安全性や品質面では、一連の耐震強度偽装事件などを受け、民間の住宅関連事業者(※)に対して、設計、建設、販売などの各段階で、 安全性や品質を確保する責務があると明記されています。それにより、今まで以上に質の高い住宅を手に入れやすくなることが期待されます。

※住宅関連事業者は、不動産デベロッパー、建築士、宅地建物取引業者、リフォーム業者、マンション管理業者のほか、住宅に必要なキッチンや トイレなどの設備を販売・工事する事業者なども含まれます。

「住生活基本計画」で目指す10年先の住環境

住生活基本計画(全国計画)には、住宅の質や住環境の質の向上を図る目標(成果指標)が示されています。その中には、(1)新耐震基準適合率、(2)バリアフリー化率、(3)省エネ化率、(4)住宅性能表示実施率などがあります。 具体的な目標値と現状値は、次のようになっています。

項目

現状値(年度)

目標値(年度)

新耐震基準(※1)に適合する住宅ストックの比率

75%(平成15年)

90%(平成27年)

新築住宅における次世代省エネ基準(※2)適合率

32%(平成16年)

50%(平成20年)

バリアフリー化率を満たす住宅ストックの比率

一定

29%(平成15年)

75%(平成27年)

高度

6.7%(平成15年)

25%(平成27年)

新築住宅における住宅性能表示実施率

16%(平成17年)

50%(平成22年)

  (※1)新耐震基準は、昭和56年(1981年)基準、(※2)次世代省エネ基準は、平成11年(1999年)基準

住宅性能表示実施率の目標値は50%となっているものの、今後は、住宅性能表示を受けた住宅がスタンダードになると予測されます。外見からでは判断できない住宅の良し悪しが、専門家による検査などで、安全性をはじめさまざまな性能が目に見える形で評価されるようになります。

国土交通省HP『住生活基本法案について』

この内容は2007年7月現在のものです。

住宅品質確保促進法
品質のよい住宅を手に入れ、万が一のトラブルも迅速に解決

新築した家の性能に問題があったり、生活に支障をきたす欠陥があっては大変です。住宅のトラブルを未然に防ぎ、そしてトラブルが起きた際も迅速に紛争を処理できるようにしたのが「住宅の品質確保の促進等に関する法律(住宅品質確保促進法)」(2000年4月1日施行)です。 品質のよい住宅を安心して手に入れることができるように、「住宅性能表示制度」「基本構造部分の10年保証」「住宅専門の紛争処理機関」という3つの柱で構成されています。

10項目にわたる住宅性能の表示基準を統一

「住宅性能表示制度」は、新築住宅や既存住宅を取得(※1)する時に、住宅の品質や性能を比較しやすいようにする目的で設けられた制度です。住宅の性能に一定の基準を定めて表示することで、物件の比較や検討がしやすくなっています。 具体的には、「構造の安定」「火災時の安全」「劣化の軽減」「維持管理・更新への配慮」「温熱環境」「空気環境」「光・視環境」「音環境」「高齢者等への配慮」「防犯」の10項目(※2)の性能表示基準が設けられています。第三者機関により、全国で統一された基準をもとに、住宅性能がチェックされるものです。ただし、この制度の利用は任意となっています。住宅の取得者の選択によりますが、住宅性能の客観的な判断基準として新築や購入時には利用を検討したいものです。

住宅の10年間保証を義務付け

住宅の欠陥を法律では「瑕疵(かし)」と言います。新築住宅の基礎や柱、はり、床などの構造部分や、屋根などの雨水浸入を防止する部分について、施工会社(請負人)や販売会社(売主)に引渡しから10年間の瑕疵担保責任が義務付けられています。つまり、10年(※3)の間に基本構造部分に欠陥が生じた場合は、施工会社や販売会社に対して補修や損害賠償、解除(※4)を請求できるのです。また、契約時に特約を結ぶことで、基本構造部分以外も含めて保証期間を20年まで延ばせるようになっています。これらは民法で定められた瑕疵担保責任の新築住宅についての特例で、2000年4月1日以降に契約されたすべての新築住宅に適用されます。 また、2009年10月1日以降に引き渡される新築住宅については「特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律(住宅瑕疵担保履行法)」も適用されます。この法律により、施工会社(建設業者)や販売会社(宅建業者)に資力確保措置(「保険への加入」または「保証金の供託」)が義務付けられ、施工会社や販売会社が倒産した場合でも基本構造部分の瑕疵の補修に必要な費用などが補償されるようになります。

国土交通大臣登録の評価機関が行う住宅性能評価

住宅性能表示制度を利用する場合には、国土交通大臣登録の住宅性能評価機関に依頼し、共通の基準に基づいて評価してもらいます。評価は設計段階と建設現場段階の2段階あり、設計性能評価を受けたものが建設性能評価を受けることができます。評価の結果はそれぞれの段階で標章付の「設計住宅性能評価書」「建設住宅性能評価書」として発行されます。なお、この制度を利用するには費用がかかることも忘れずに。

住宅専門の紛争処理体制でトラブルに迅速に対応

建設住宅性能評価書が交付された住宅(評価住宅)で、評価どおりの性能になっていないなどのトラブルが発生した場合に、調停などを行う紛争処理体制が整備されています。裁判での解決ではなく、住宅専門の紛争処理機関(指定住宅紛争処理機関)で迅速に解決しようというものです。 この指定住宅紛争処理機関は第三者的な立場の弁護士や建築士で構成されています。さらに同機関が紛争を迅速に解決できるように「住宅紛争処理の参考となるべき技術的基準」が定められています。トラブルの解決を依頼できるのは、住宅性能表示制度(任意)によって建設住宅性能評価を受けた住宅(評価住宅)に限られています。(※5)

※1:従来は新築住宅だけが対象でしたが、現在は、既存住宅でも性能評価を受けることができます。
※2:性能評価の対象は当初は9項目でしたが、現在は、10項目となっています。
※3:10年間は、引渡日からとなります。
※4:解除できるのは、売買契約で補修不能等の場合のみです。
※5:2008年4月1日から、住宅瑕疵担保履行法に基づく保険への加入のなされた住宅(保険付き住宅)についても利用できるようになりました。

この内容は2009年7月現在のものです。

住宅瑕疵担保履行法
「住宅瑕疵担保履行法」とは?

瑕疵(かし)の補修等が確実に行われるよう、新築住宅を供給する事業者に「保険への加入」または「保証金の供託」を義務付ける「住宅瑕疵担保履行法(特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律)」が、2009年10月1日に施行(2008年4月1日一部施行)されます。これにより、「住宅品質確保促進法(住宅の品質確保の促進等に関する法律)」(2000年4月1日施行)に基づく施工会社や販売会社の10年間の瑕疵担保責任の確実な履行が確保されるようになります。また、「保険への加入」がなされた新築住宅の場合は、施工会社や販売会社等とのトラブル発生時には、住宅専門の紛争処理機関を利用して迅速に解決できるようになります。 住宅瑕疵担保履行法は、消費者保護の観点から制定された法律です。その背景には、2005年11月に発覚した「構造計算書偽装事件」があります。住宅品質確保促進法で義務付けられている瑕疵担保責任が、販売会社の倒産により履行されないという事態が起こりました。「構造計算書偽装事件」をきっかけに、「建築確認・検査の厳格化」「建築士制度の見直し」がなされるとともに、消費者保護の観点から、「瑕疵担保責任履行のための措置の充実・強化」のための法整備として、住宅瑕疵担保履行法が制定されました。

施工会社や販売会社に資力確保を義務付ける新制度

2009年10月1日以降に引き渡される新築住宅について適用され、10年間の瑕疵担保責任を負う新築住宅の施工会社や販売会社に資力確保が義務付けられます。資力確保には、「保険制度(住宅瑕疵担保責任保険契約の締結)」「供託制度(住宅建設瑕疵担保保証金等の供託)」という2つの方法があります。 これにより、万が一、施工会社や販売会社が倒産した場合等でも、補修などに必要な費用が住宅取得者に支払われます。保険制度については、2009年10月1日以前の引渡しの場合でも任意で利用することが可能です。

●対象になる瑕疵担保責任の範囲

住宅品質確保促進法に基づく構造耐力上主要な部分と雨水の浸入を防止する部分の10年間の瑕疵担保責任を対象としています。

●適用される住宅の範囲

2009年10月1日以降に引渡しとなる、「新築戸建」「新築マンション」「新築賃貸住宅」などすべての新築住宅が対象となります。新築住宅の定義については、次の通りです。

[新築住宅の定義]
住宅品質確保促進法(第2条第2項)に規定される新築住宅。具体的には、「建設工事完了日から起算して1年以内の住宅」であり、「人の居住の用に供したことのない住宅」です。

[住宅の定義]
住宅品質確保促進法(第2条第1項)に規定される住宅。具体的には、「戸建住宅」「分譲マンション」「賃貸住宅(公営住宅・社宅等含む)」の人の居住の用に供する家屋または、家屋の部分。

「いったん入居後に転売された住宅」「建設工事完了日から起算して1年を経過した住宅」等は、対象外となります。また、「事務所」「倉庫」「物置」「仮設住宅」等も対象外となります。

万が一のトラブルに迅速に対応する紛争処理体制の確立

「保険制度」の「住宅瑕疵担保責任保険」に加入している新築住宅(保険付き住宅)なら、専門の紛争処理機関である指定住宅紛争処理機関(住宅紛争審査会)を利用することができます。紛争の当事者からの申し立てを受けて、住宅紛争審査会であっせん、調停または仲裁を行い、迅速な解決を図るものです。同審査会は、全国各地の弁護士会に設置され、利用しやすくなっています。 施工会社や販売会社が倒産している場合は、施主や買主が瑕疵の補修などにかかる費用を保険法人に直接請求できることから、保険法人を相手方として紛争処理を申請することもできるようになっています。

[紛争処理ができる例]

雨漏り、基礎の亀裂、床の傾斜等の不具合があり、「対処してもらえない」「補修内容や金額が折り合わない」等のトラブルが対象になります。また、建築代金支払い等の施主が果たすべき義務を怠った場合などは、逆に施工会社や販売会社からの申し立ても可能となっています。

次のような場合は、紛争処理の申し立てをすることはできません。

(1)住宅以外の建物に関する紛争
(2)保険付き住宅でない住宅に関する紛争
(3)発注者・買主(または請負人・売主)と近隣住民との間の紛争
(4)保険付き住宅の賃貸人と賃借人との間の紛争

国土交通省HP『住宅瑕疵担保履行法』

この内容は2009年7月現在のものです。

瑕疵担保責任
瑕疵担保責任とは?

2000年4月1日以降、新築の住宅すべてに10年間の瑕疵担保責任が義務付けられています。
しかし、どんな部分でも10年以内なら無償で直してもらえるというものではありません。
対象は、基本構造部分に限定されています。基礎や軸組み、小屋組み、柱、壁、床版、土台、横架材、斜材、屋根版などの「構造耐力上主要な部分」および屋根仕上げ・下地、壁仕上げ・ 下地などの「雨水の浸入を防ぐ部分」がこれにあたります。
「住宅の品質確保の促進等に関する法律(住宅品質確保促進法)」で、基本構造部分について、請負人や売り主に10年間の瑕疵担保責任が義務付けられています。

基本構造部分の欠陥についてできる請求は?

「床が傾いた」、「雨漏りがする」、「壁や基礎部分がひび割れた」…など、基本構造部分に欠陥があったり、トラブルが生じた場合は引渡し後10年以内なら施工会社(請負)や 販売会社(売買)に次のような責任追及ができます。

相当期間を設けたうえで、瑕疵の補修請求

瑕疵の補修に代えて損害賠償の請求

瑕疵の補修請求とともに損害賠償を請求

契約目的を達成できない場合に解除を請求(売買の場合に限る)

ただ、補強もしていない床にピアノを置いて床が傾いたなど、暮らし方が原因でトラブルが発生した場合は、対象にはなりません。あくまでも住宅そのものに欠陥があった場合に限られます。 また、瑕疵担保責任期間内に請求がない場合は、瑕疵担保責任は消滅します。

紛争処理では技術的基準を目安に判断

瑕疵の立証は、施主自らが行わなければなりません。施主が瑕疵と思っていても施工会社や販売会社が瑕疵とは認めないケースもあります。そこでつくられたのが「住宅紛争処理の参考となるべき技術的基準」(告示)です。 ここには床の傾きや壁などのひび割れについて、「どの程度の場合なら、瑕疵の存する可能性があるか」という基準が示されています。この基準を参考にして「紛争処理機関」が判断します。

住宅保証機構登録の住宅は10年間無料保証

第三者保証のなかでよく知られているのが、(財)住宅保証機構の制度を利用するものです。建設工事中に戸建住宅は2回、共同住宅等は3回以上の現場審査を受け、 それに合格すれば住宅の登録手続きが完了。登録業者が同機構に申請して発行される保証書を施主が受け取ることで、10年間の保証がスタートします。 同機構の保証には基本構造部分の10年保証に加え、設備などにも1~2年の短期保証が付きます。

■住宅瑕疵担保履行法とは?

2007年5月に制定された「特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律(住宅瑕疵担保履行法)」により、新築住宅を引き渡す施工会社(建設業者)や販売会社(宅建業者)に、 「保険への加入」または「保証金の供託」が義務付けられました。新築住宅に瑕疵が発覚した場合、瑕疵担保責任を負う施工会社等が倒産したときでも、住宅取得者が保護されるようにするものです。 これは、2009年10月1日以降に引き渡される新築住宅について適用されます。

国土交通省HP『住宅瑕疵担保履行法』

この内容は2009年7月現在のものです。