工法・構造

地盤・基礎
地盤が軟弱な場合は改良工事が必要

家を建てる敷地が水田を埋め立てた土地や、地下水位の高い土地の場合には、建築後に地盤沈下が予想されます。また、ゴミなどで埋め立てた土地や、 盛土にコンクリートの廃材などが混入していると、建物の基礎と接触して不同沈下の原因となります。こうした土地の場合には、地盤改良を行ったり、 基礎設計に配慮したり対策を行うことが必要です。 水田や畑を宅地に転用する場合や、地盤の状態に不安がある場合は、 建築工事が始まる前に「地盤調査」を行いましょう。一般的な戸建て住宅向けの地盤調査は「スウェーデン式サウンディング(SS)試験」が主流となっています。 地盤改良にはさまざまな方法があり、地盤の状態や建築物の構造・工法・規模(荷重の大きさ)などにあわせてどの方法で行うかが決まります。 地盤の調査や改良については、建築士や施工会社に問い合わせましょう。それらを専門に手がける業者もあります。

基礎にもいくつか種類があり、地盤の状態や建物の構造などによって決まる

地盤同様、家を支える重要部分の「基礎」には「布基礎」「防湿基礎」「ベタ基礎」といった種類(工法)があり、建物の構造・工法や規模(荷重の大きさ)などに よってどういった基礎にするかが決まります。基礎は工法によってその性能が異なり、またコストにも差があります。

基礎の種類(工法)とそれぞれの特徴

<一戸建て住宅に多い布基礎>
一般的な木造住宅の場合に、もっとも多く採用されているのが「布基礎」と呼ばれる工法です。部位的には、土台を載せるために作られる幅12~15cm、 高さ45~60cm程度のコンクリート製の部分を指します。基礎から地盤に伝達される荷重の大きさ(接地圧)と、 地盤が接地圧に耐えられる力(地耐力)をどれだけ備えているかによって、基礎が地盤に接している部分の面積が算出されます。 たとえば、接地圧が5t/平方メートル(1平方メートルあたり5tの荷重が加わる)に対して地耐力が3t/平方メートルしかない場合には、 建物荷重が地耐力を上回るため建物は沈下を起こしてしまいます。これを防ぐためには、基礎の底面部分の面積を広くして、接地圧が地耐力の3t/平方メートル未満となるようにします。

<不同沈下に強いベタ基礎>
「ベタ基礎」は、板状の基礎を地盤の上全面に敷設する、文字どおりベタっとした基礎です。縦横に鉄筋が入ったコンクリートの基礎であるため、たわみが少なく、 一部分だけが沈下する不同沈下に対して優れた抵抗性を備えており、地盤がかなり軟弱な場合に採用されます。

<湿気が多い場合に用いられる防湿基礎>
「防湿基礎」は、見た目はベタ基礎と見分けがつかない形状をしていますが、構造や性能といった実質的な面では布基礎の一種といえます。 基礎と基礎の間を薄い土間コンクリートで被覆し、湿気が上がってくるのを防ぎます。

<特殊な場合に用いられる杭基礎>
地盤が軟弱であったり、重量鉄骨造の3階建て住宅を建てるなど特殊な場合に用いられるのが「杭基礎」です。

地盤調査
人為的に変えられた地盤もわかる

さまざまな資料で希望する地域の土地の地盤状況を調べることができます。とくに国土地理院発行の「土地条件図」は大都市圏や東海道地区をいくつかのエリアに分け、地形やわずかな高低差だけではなく、造成などによって人為的に変えられた盛り土や埋め立て地の情報が網羅されています。また土地の前歴は管轄法務局で、所在地の公図、登記簿謄本、測量図をみれば分かります。ぜひ調べてみてはいかがでしょう。

各市町村役場に地盤災害MAP

各市町村役場の建築指導課や消防の防災課の窓口に足を運べば、地盤災害をひとつの地図にまとめた「災害予測図」があります。これは地震で地盤の揺れが強くなりそうな地域をはじめ、がけ崩れが発生しやすい地域など、地盤災害が起こりやすいエリアが網羅されています。防災対策に役立てる目的で作成されたものですが、閲覧も可能。

参考になる「盛り切り図」

大規模な宅地開発では、開発地全体の造成プランをまとめた「造成計画図」をはじめ、多数の図面が作成されています。なかでも盛り土、切り土の範囲と深さを示した「盛り切り図」なる図面があるので土地選びの際は大いに参考になるでしょう。販売事務所の担当者に頼めば見せてもらうことも可能です。

誰でも手軽にできる地盤調査

もし可能であれば、地表面から30cm程度の深さにつくられることが多い建築の基礎部分を想定して、土地を50cm程度掘ってみましょう。その中からかわらのかけらや木片、空き缶などが出てきたら埋め立てだと分かるし、掘った数時間後に水がしみでてたまるようなら、それは地下水で基礎地盤としてあまりいい条件ではありません。

個人でも地盤調査依頼が可能

阪神・淡路大震災以降、地盤や地質調査をする不動産会社が増えています。その場合は調査結果や改良工事の記録、写真をみせてもらうようにすることですが、もし調査していなければ個人で依頼することも可能です。その場合は狭い敷地内での地盤調査となりますが、一戸建て用の地盤調査を依頼して一式数万円くらいの費用で調査できます(一般的な地質調査の方法にスウェーデン式サウンディング試験があり、簡単な作業で精度の高い地質データがとれます)。地盤調査会社は信頼できる設計事務所や工務店に紹介してもらうのがいいでしょう。

住宅の構造
構造・工法には複数のタイプがあるが、構造の構成要素はほぼ同じ

住宅の構造は建物を形づくるうえで欠くことのできない主要部分で、そこに使われる主な材質によって木造、鉄骨造(プレハブ)、鉄筋コンクリート造(RC)の3タイプに大別されます。さらに、木造は在来(軸組)工法と2×4(ツーバイフォー)工法、鉄筋コンクリート造はラーメン構造と壁式構造とに分類することができます。木造の在来(軸組)工法は建物の荷重を柱や梁(はり)といった「軸組」で支えるのに対して、2×4(ツーバイフォー)工法は「壁」で支えるといった違いがあります。構造を構成する要素はどの構造・工法でもほぼ同じで、「基礎」「土台」「床組」「軸組(柱・梁・筋交い)」「耐力壁」「小屋組」などからなっています。「住宅品質確保促進法」における「10年間の瑕疵担保責任の義務化(簡単ないい方をすれば「10年間の保証義務」)」の対象となるのは、ここにあげた構造耐力上主要な部分および屋根や外壁など雨水の浸入を防ぐ部分です。

材質と様式の関係で躯体は基本6タイプに分類される

建築物において床や壁、梁と骨格は「躯体(くたい)」と呼びます。躯体には表のとおり、そこに使われている素材と、どのような組み立て方(様式)をしているかによって、基本的に6つのタイプ(工法)に分類されます。ここで注目していただきたいのが、様式の「軸組」と「壁式」です。軸組は、柱と梁といった軸の組み合わせで構造体を形成するもので、いわば“点”と“線”で建物を支えます。壁式は、前後左右4面の壁にその上の天井と下側の床を加えた“箱(6面体)”が構造体の基本となっており、建物を“面”で支えます。

ワイドな開口部や吹抜けなど、設計の自由度が高い軸組

軸組は、極端ないい方をすれば柱と梁さえしっかりしていれば壁がなくても家は建つわけです。こうした特性は設計の自由度を高め、たとえば、リビングの外壁の一つを丸々窓にしたり、大きな吹抜けを設けたりすることができます。壁式に比べて強度の面で難点がありますが、柱や梁を適正な強度が得られる太さにする、斜材や筋交い、耐力壁を適正に配置する、柱と梁の接合部を金具などで補強するといった対策を講じることで、優れた耐震性や耐風性を確保することができます。

耐震性や耐火性、遮音性などに優れた壁式

壁式は、壁で構造を支えるため、荷重に応じて適切な位置に壁を設置する必要や、開口部の大きさに制限があるなど、軸組に比べて設計の自由度は低くなります。そのかわり、支える原理が面となっているため強度が高く、優れた耐震性・耐風性を発揮。さらに、気密性も高いことから、耐火性・遮音性・省エネ性に優れています。最近では軸組と壁式双方の利点・長所を取り入れた工法も登場しており、適正な強度を確保しながら、より自由な設計も可能となっています。

●構造体と工法の関係

構造体の主要材質

構造体の様式

軸組

壁式

在来工法

2X4工法

改良軸組工法

木質パネル工法

鉄筋コンクリート

RC造(ラーメン構造)

RC造(壁構造)

鉄骨

重量鉄骨造(ラーメン構造)

軽量鉄骨パネル工法

鉄骨ユニット工法

鉄骨ALC工法

在来工法
伝統的な日本の家造り

木造軸組工法とも呼ばれる在来工法。「軸組」の名の通り、柱・梁(はり)・桁(けた)・筋交いなどで家の骨組みをつくりあげます。昔は釘などを使わずに骨組みを組んでいましたが、現在では釘や緊結金物などを組み合わせて、耐震性などを高めています。

どんな敷地にも対応する工法

伝統的な工法ということで、プランニングの自由度が低いのではないかと思われるかもしれませんが、それは大まちがい。柱と梁で構造を支える木造軸組工法は、狭い敷地や変形敷地、傾斜地、道路条件に制約がある敷地などにも柔軟に対応できる工法なのです。また間取りも構造の制約を受けにくいので、ライフスタイルにあわせて個性的な家をつくることができます。

伝統的な和風空間ならこの工法

外観を和風にしたいという時はもちろん、大黒柱を設けたり、きちんとした和室をつくりたいという場合も、やはり木造軸組工法に勝る工法はないでしょう。木造軸組工法では、構造材としての柱がそのまま和風の美しさを表現しますが、壁で構成する他の工法では、付け柱を取り付けなければなりません。また開放感のある二間続きの和室をつくる時も、柱や梁で構造を支えるこの工法が真価を発揮します。

リフォーム時にも大きなメリット

増改築がしやすいことも、木造軸組工法の特徴です。柱や梁といった構造を支える部分以外は、コストを含め比較的容易にリフォームできます。また、柱や梁なども部分的に取り替えたり継ぎ足したりできます。

耐震性や耐久性の確保に注意

木造軸組工法はその一方で、木を点で接合していることから、耐震性や耐久性の確保に注意する必要があります。耐震性については、柱、梁、筋交いなどがバランスよく配置され緊結金物で適切に補強されているか、耐久性においては柱などの構造材の品質管理や防腐・防蟻処理がきちんと施されているかがポイントです。

プレハブ住宅
工場での大量生産のメリットを生かした住宅

プレハブ住宅とは、工場で生産された部材を現場に運び、現場で部材を組み合わせたり接合して建築する住宅のことです。部材の多くが工場で生産されるため、部材自体の品質が安定していますし、施工(工事)の精度も高くなります。また、施工が比較的シンプルな分、短い工期で家を建てることができます。さらに、各社独自の工法や構造を採用して構造計算をきちんと行うなど、研究開発に相当の費用がかけられている点でも安心感があります。

プレハブ住宅の種類

プレハブ住宅の種類は、構造材に着目して木質系(あるいは木質パネル系)、鉄骨系、コンクリート系に分けられます。また、建て方に着目してパネル(耐力壁)方式、軸組方式、ユニット方式などに分けることもあります。パネル方式は木質系・鉄鋼系・コンクリート系のパネルで耐力壁を建て上げ、建物を支えるという工法。軸組方式は主として鉄骨によって柱・梁などを組み、この軸組で建物を支える工法。ユニット方式は工場で住宅の各部位を生産し、これを現場に運んでユニットを積み上げ、住宅を構成する工法です。

設計の自由度や将来のリフォームには制約も

プレハブ住宅は部材の多くを工場で生産し、プランもある程度規格化しているため、設計の自由度は低くなります。パネル方式やユニット方式の場合はとくに、道路条件によっては部材を現場に運び込めないケースもあります。また、各社独自の工法や構造なので、将来のリフォームもいろいろな制約を伴います。こうした点にはあらかじめ注意しておきましょう。

ツーバイフォー・輸入住宅
ツーバイフォーの由来と構造

ツーバイフォー工法の名称は、基本的な部材の断面寸法が2インチ×4インチであることからきています。北米で生まれ育ったこの工法と、日本古来の木造軸組工法との違いは、建物の重さをどのように支えるかという構造上の考え方にあります。木造軸組工法では柱や梁(はり)という『線』で支えるのに対して、ツーバイフォー工法では構造用製材で作った枠組みに構造用合板を張り付けたパネルで床・壁・天井を構成し、『面』で建物を支えていきます。

広いスペースには威力を発揮

『面』で支えるというツーバイフォー工法は、設計面においても優れた特性を持っています。たとえば構造上、安全性が確認されれば、柱のない広々とした大空間をつくることができます。また、屋根を支えるための複雑な小屋組みを必要としないため、屋根裏を収納スペースや屋根裏部屋として活用することもできます。部屋に開放感を与え、より広く見せるための吹抜け空間をつくりやすいこともツーバイフォー工法の特徴です。

面構造だからこその耐震性・断熱性

ツーバイフォー工法では、パネル化された壁や床を使い、箱のように家をつくるために地震の揺れを床・壁・天井の6面で効率よく吸収し、力が一部分に集中することを防ぎます。各面は枠組材と構造用合板を一体化させたパネルになっていて、優れた耐震性の源となっています。また壁や天井には不燃材が使われ、各部屋が密閉されているので、木造ながら火災にも強くなっています。

おとぎばなしに出てきたような外観

いつか海外で見たまるで絵のような家。そんな美しい外観の住まいもツーバイフォー工法では可能です。ツーバイフォー工法では屋根を支える小屋組みが非常にシンプルなため、屋根を急勾配にしたり、ドーマー窓をつくったりと個性的な屋根をつくることができます。さらにサイディングやタイル貼りなど、外壁の仕上げについても住む人の好みによって自由に選ぶことができます。個性的で表情豊かな外観デザインをプランできる工法でもあるのです。

若干の制約も知っておこう

ツーバイフォー工法は、前述したように壁で支える工法です。そのため、窓などの開口部の位置や大きさなどには制約があることも知っておくべきでしょう。部屋を広くつくりたい場合も、可能な場所と不可能な場所があります。また、壁が構造材となっているため、リフォームの時にも設置位置が変更できない、あるいは取り除いたりできない壁があるなどの制約があります。将来、ライフスタイルにあわせてリフォームすることを考えているならば、それに対応した設計にするなど、プランニングの段階で考慮しておきましょう。

RC造・重量鉄骨造
強度と耐火性に優れた構造

大きな力が加わっても、ポキリとは折れずに粘り強く変形するだけですむなど、非常に高い強度を持つ鉄筋コンクリート(RC造)。耐火性にも優れており、都市部の住宅密集地(防火地域)で3階建て以上の家を建てる場合は耐火建築にしなければならないため、RC造の家が多く見られます。また、防火地域以外では1・2階部分はRC造、3階部分は在来木造というように、異なった構造(工法)を組み合わせるケースも増えています。

鉄とコンクリート両方の長所を生かしたRC

鉄には引っ張りには強いが、圧縮には弱いという性質があります。かたやコンクリートは圧縮に強く、引っ張りには弱いという性質を持っています。そこで鉄筋とコンクリートを組み合わせて両方の弱点を補い、ねばり強さと強度の両方を備えたのがRCです。

3階建て以上の住宅におすすめ

RC造の住宅は、型枠に鉄筋を並べ、そこにコンクリートを流しこんで、基礎から屋上までを一体化してつくります。建物の強度が強く3階建て以上の住宅で多く使われる工法です。耐震性、耐火性はもちろん、断熱性、遮音性にも優れ、耐久性の高さも大きな魅力です。公庫融資でも返済期間が最高の35年に設定できるという利点もあります。

RC造に比べて短工期・低コストの重量鉄骨造

鉄骨造の住宅は、断面がH型や四角型などの鋼材を柱や梁(はり)に用いたもので、使用鋼材の規格(肉厚)により、「軽量鉄骨造」と「重量鉄骨造」に分けられます。一般的な鉄骨造の住宅では軽量鉄骨造が主流で、重量鉄骨造は3階建て以上など建物が高層・大規模な場合に用いられます。RC造と比較した場合、同じ断面積で強度が高いので、RC造よりも柱や梁を補足することができます。また施工もRC造に比べてシンプルなため、3階建て以上で住戸内の有効面積を広くとりたい場合や、短工期・低コストでという場合には検討の価値があるといえます。なお、鉄骨はさびやすく、熱伝導率が高いので、防錆処置や耐火被膜などの施工が必要となります。

耐久性
住宅をむしばむ湿気とシロアリ

梅雨時の長雨から秋の台風シーズンまで、日本では湿度の高い日々が繰り返されます。つねにジメジメした状態だと、木は腐りやすくなり、シロアリの発生・成長を促します。また、鉄やコンクリートも影響を受けます。つまり、どんな住宅建材でも過度の湿気が苦手であり、大敵なのです。長持ちする家を建てるためには、水や湿気、シロアリなどへの対策を万全に施すことが大切です。

湿気やシロアリに強い素材を使い、通風・換気に優れた構造に

ここからは、湿気に弱いとされる“木”に話を絞りましょう。日本には、先ほども述べたように高温多湿でありながら、建ってから100年以上を経た木造住宅が数多く残っています。国宝となっている寺社には、1000年を超えるものも珍しくはありません。こうした建築物は、湿気やシロアリに強い素材を使い、通風・換気に優れた構造で、手入れをきちんと行なっています。これから建てる家をそれとまったく同じにするわけにはいきませんが、長い歴史に裏付けされた先人たちの知恵を生かして、長持ちする家を建てたいものです。

長持ちする家を建てるポイント

柱や梁(はり)といった基本構造部分には、ヒノキやヒバなどの耐腐朽性、耐蟻(ぎ)性の高い木材を使用します。
下記の部分には、防腐・防蟻剤を加圧注入、または塗布した木材を使用します。

  土台・外壁の柱・筋交い・下地板で地盤面から1m以内の木材
  浴室部分の木材(天井下地板、床下地盤、根太等を含む)
  台所の水がかり部分

基礎の内周部や束石の周囲には、防蟻のための土壌処理を実施します。
布基礎は鉄筋コンクリート造とし、地盤のあまり良好でない土地においてはベタ基礎とします。
雨水のはね上がりによる土台の腐朽を防止する目的から、基礎の高さをできるだけ地盤面から30cm以上確保します。
1階の浴室回り(ユニット式のものを除く)の腰壁は、基礎と一体の鉄筋コンクリート造とします。
床下地盤面からの水蒸気の発生を抑え、木部の乾燥状態を確保するために、床下にコンクリートを打設するか、防湿フィルムなどを敷きます。
小屋裏、床下の換気を十分に行えるよう、換気孔などを設置します。
屋根、外壁には防水性の高い材料を使用します。
通風が十分でない部屋については強制的に換気できる設備などを設置します。

※ 文中の数値は住宅金融公庫の基準仕様より
※ 防腐・防蟻剤については、平成15年7月の改正建築基準法により、ホルムアルデヒドや防蟻剤として使われるクロルピリホスを含む建築材料の使用が全面禁止されています。

定期的な点検やメンテナンスも大切

施工時に湿気やシロアリ対策を万全に行ったからといって、それだけで安心するわけにはいきません。防腐・防蟻薬剤には効果の有効期限があるように、床下などを定期的に点検したり、水回りなどつねに湿気の多い部分はメンテナンスを心がけることが大切です。病気と同じように、不具合箇所の早期発見・早期補修が家全体の長寿命化につながります。

安全性
法律上の「安全性」の主な要素は「耐震性」「耐火性」「耐風性」の3つ

家を建てる際は「建築基準法」にそって設計や施工が行われます。この法律における安全性は、主に「耐震性」「耐火性」「耐風性」の3要素から成り立っています。 耐震性は地震に対する強度を一定以上確保することを目的としており、在来木造工法では、柱や梁(はり)などの太さ、接合部の施工方法などが細かく決められています。 なお、耐震性を高めるためには建物の躯体はもちろんのこと、基礎も強固なものにする必要があります。耐火性は、火災のときに一定時間は類焼・延焼しないことを目的としたものです。 内装材や外壁材などに不燃性のものを使うことや、炎の出入口となる窓の大きさに関する制限など、さまざまな規定が設けられています。耐風性は台風などの強風を想定したもので、 建物の重量や外壁の強さなどが規定されています。

防犯性の高さも安全性に関わる重要な要素

地震や火災などへの対策に加え、泥棒や空き巣などに対する防犯性や、セールスなどわずらわしい訪問者への対策も住宅の安全性に関わる重要な要素です。現代社会においては近所づきあいが希薄な傾向にあり、また住宅の設計においては各戸の独立性やプライバシーの確保が重視されるため、前や隣の家に不審者が侵入しても気づきにくくなっています。在宅時においても、セールス員など、迷惑な訪問者に悩まされることもあります。こうしたケースを想定して、テレビモニターつきのインターホンを設置したり、警備会社と契約してオンライン式のセキュリティーシステムを導入するなど、防犯性を高めておくといいでしょう。

地震に強い住宅にするために

<地盤(宅地)>
柔らかい土が厚くたい積している地盤に建てる場合は、硬い地盤のときよりも建物を強く。
沼、水田、湿地、谷などを埋め立てた地盤は、揺れやすいだけでなく建物を支える力が弱い場合が多いので、とくに基礎を丈夫に。
海岸沿いの埋立地では、地盤の液状化現象が起こりやすいので、地盤の改良や杭基礎の設置を検討。
山地や丘陵地などを造成した敷地は、不同沈下のおそれもあるので、とくに擁壁と基礎に注意。

<基礎と土台>
建物の外周壁と内部の主な間仕切りの下には、一体のコンクリート造の布基礎を設け、アンカーボルトで土台を布基礎に緊結します。布基礎には通常、鉄筋を入れます。とくに地盤が悪い場合は、ベタ基礎なども検討しましょう。

<柱の太さ(在来木造の場合)>
柱は、屋根や2階の床の重さを支える大事な部材なので、最低でも10.5cm角、12cm角を使うとよいでしょう。

<耐力壁の量と配置>(在来木造の場合)
筋交いなどの入った耐力壁の量と配置は、建物を地震や強風から守るうえでもっとも大切なことです。 耐力壁の必要壁量は法令に基づき、住宅ごとに算出し数値を満たすことが義務づけられています。 耐力壁はただ数値を満たすだけでなく、バランス良く配置することにより、その効力を発揮します。1、2階の上下の耐力壁を合わせると良いでしょう。

<床、屋根(在来木造の場合)>
床や小屋組の四隅には、火打ちを入れて全体がゆがまないようにします。床や屋根に合板を張りつめると、建物を固めるのに大きな効果があります。吹抜けをあまり大きなものにすると、耐震性が低下する場合もあるので、建築士に相談するとよいでしょう。

<建物の形と重さ>
建物の平面、立面の形状は、なるべく単純でまとまりのよいものにします。平面の形が凸凹していたり、壁が少ないと耐震性が低下するおそれがあります。また、建物の重量が重い場合は、耐力壁の量や柱の太さを増す必要があります。

参考/地震にそなえて<(財)日本建築防災協会>

住み心地
「日当たり」

日当たりは、住宅の住み心地をもっとも左右する要素です。陽光は住戸内を明るくするだけでなく、その暖かさや優しさから、くつろぎや安らぎをもたらします。また、陽光をふんだんに採り入れることにより、住戸内の開放感を高めることができます。できるだけ日当たりの良い向きと位置に建物を配置するとともに、建物の強度や防火上の制限に配慮しつつ、窓などの開口(採光)部をできるだけ大きく確保したいものです。建物の向きや構造上の制約により窓だけでは十分に採光できない場合は、天窓(トップライト)の設置などを検討しましょう。なお、開口部を大きくする場合は、夏場の暑さや冬の寒さへの対策として断熱性を高めることも大切です。

「通風」と「換気」

湿度が一定以上になると生じる結露は、単に不快なだけでなく、建材の変質や腐食といった建物の耐久性にも悪い影響を及ぼします。結露を防ぐためには、通風や換気を良くして住戸内の湿気を逃がすようにしましょう。また、建材に含まれる化学物質によるアレルギー、いわゆる“シックハウス症候群”についても、通風や換気を良くすることによって、ある程度の改善を図ることができます。

「遮音」

敷地が幹線道路や繁華街などに近い場合に問題となるのが「音」です。昼間は気にならない程度の音であっても、就寝時にはその音が耳障りになって寝つけないといったことも考えられます。こうした外部音の侵入を防ぐとともに、住戸内の音を外に漏らさないことや住戸内の各居室間、あるいは1・2階間の音を防ぐことも大切です。小さな子供は大きな声を出してはしゃぎます。テレビでのスポーツ観戦やステレオでの音楽鑑賞は、自分が感じている以上に音が大きくなっていることがあります。こうした音が近所迷惑とならないよう、窓の位置などに配慮が必要です。

住宅性能表示制度の基準を目安にしましょう

日当たりや通風・換気をどの程度確保すれば良いかは、品確法による「住宅性能表示制度」(適用は任意)の基準が一つの目安になります。日照などの項目ごとに数値や等級が決められていますので、プランニングの打ち合わせ時に建築士に確認しましょう。なお、住宅性能表示制度の詳細については「住宅性能表示制度」のページを参照ください。

断熱・気密
断熱材と断熱性に優れた素材・建材を使用する

光熱費を抑えるため(省エネ)にもっとも効果的なのが、建物の断熱性と気密性を高めることです。断熱性を高めるためには、断熱性に優れた素材・建材を使用したり、施工時にグラスウールなどの断熱材を外壁や床、天井などに充てんします。窓などの開口部は熱を伝えやすい部分なので、あまりにも大きく(広く)するのは考えもの。かといって小さくしてしまうと十分な採光が得られません。開口部の大きさは断熱と採光のバランスを考慮するとともに、複層ガラスなど断熱性に優れたサッシやドアを用いるといいでしょう。

気密性を高めて“すきま風”をシャットアウト

冬になると、「戸建住宅はマンションより寒い」ということをよく耳にします。集合住宅であるマンションは、上下左右の住戸が丸々断熱材の役割を果たしているため、外気温の影響が小さくなります。一方、戸建住宅は、外壁や屋根など外側のすべてが外気に直接触れているため、外気温の影響が大きくなります。こうした構造の違いに加え、もう一つ大きな要素となっているのが建物の「気密性」です。マンションは型枠にコンクリートを流し込んで作られるため、気密性が高い=すきまがほとんどありません。戸建住宅の場合は接合部が多いため、どうしても気密性が低い=すきまができやすいといえます。すきまがあると、そこから外気が侵入してきますから、住戸内の温度が逃げるわけです。最近では、接合部などに「気密フィルム」をはるなどして気密性を高める工法が普及しています。こうした技術を利用しながら、気密性にも配慮した家をプランニングするようにしましょう。

高断熱・高気密住宅には熱交換式の強制換気設備が必要

気密性が高いということは、何もしなければ室内の空気と外気とが入れ替わらないということです。人間には新鮮な空気が必要です。そのため、高気密住宅を建てる際は熱交換機能付きの強制換気設備を設置するのが一般的です。この設備には、24時間小量ずつ換気するものや、ある程度の間隔で自動的に換気するものなど、いろいろな種類・方式があります。

省エネ住宅は耐久性にも優れている

省エネ住宅は光熱費などのランニングコストが安くなるだけでなく、部屋ごとの温度差による不快感がないなど、住空間の快適さの向上にもつながります。さらに、木材の腐食の原因となる「結露」が発生しにくいので、建物が長持ちするといったメリットも備えています。なお、住宅金融公庫融資を利用して家を建てる場合、公庫が定める省エネ基準をクリアすれば割増融資が加算されます。

資料:次世代省エネルギー基準

住宅の省エネルギー化は、住む人にとって快適な住空間を可能にするだけでなく、社会的にも二酸化炭素の排出を抑制することにつながり地球温暖化対策に貢献します。政府では昭和55年に省エネルギー法に基づく住宅の断熱性能基準(省エネ基準)を定め、その後、平成4年(新省エネ基準)、平成11年(次世代省エネ基準)と内容の見直し・強化を行ってきました。これらの基準は強制力を伴うものではありませんが、たとえば住宅金融公庫の融資において、「新省エネ基準」または「次世代省エネ基準」を満たすと、最も低い基準金利の適用や一定額の割増融資が受けられます。また、品確法に基づく「住宅性能表示制度」の表示項目のうち、「温熱環境」については「次世代省エネ基準」をクリアすれば最高ランクの等級4、「新省エネ基準」をクリアすれば次のランクの等級3となります。このように、次世代省エネ基準などの基準は、住宅の建築における省エネの重要な目安になっているのです。

<内断熱>

鉄筋コンクリート造などの建物の内側に断熱材を施工する工法。天井や壁、床下、柱と柱の間に断熱材を入れ、室内を包み込むように家の内側から断熱する。ローコストで施工でき、ほとんどの断熱材が使用できるが、柱と断熱材の間にわずかな隙間が出来るので、その部分から熱が伝わり、内部結露が起きるおそれがある。木造住宅の内断熱は「充填断熱」という。

<外断熱 (外張断熱)>

鉄筋コンクリート造などの建物全体を外側から包むように断熱する方法。外側から断熱材で囲むので、内断熱より柱と断熱材の間の隙間はできにくくなる。熱損失が少なく、外気温に左右されないので、結露の心配が少ない。断熱面積が大きくなるので、多少コスト高になる。木造住宅の外断熱は「外張断熱」という。